大日本帝國陸軍兵士高原直泰(その2)


大日本帝國陸軍高原上等兵-->たとへ死すとも靖国の社で逢はふ    2002:11:20:01:11:51 

      その比類無き破壊力から最強の地上軍と怖れらる亜爾然丁國正規軍がかねてから日本
      を狙つてゐるといふ諜報分析のとほりに何と大胆にも九十九里方面より大型輸送機に
      て飛来対空砲火をものともせず落下傘降下を敢行し関東平野を埼玉方面に向け進軍中
      とゐふ索敵機よりの驚くべき報告を受け我が大日本帝國陸軍精強部隊が再び編成召集
      されました。しかし間の悪きことに我が指揮官而虎元帥殿はご母堂様ご逝去のために
      急遽帰国されて今は太平洋上りおでぢゃねいろ丸船上の人であります。かくなるうへ
      は不在を頼まれし山本参謀のもと一丸になりて敵を返り討ちにしてやらうと全将兵と
      も闘志を燃やしてゐるのであります。いつたい敵軍には英國陸軍に招聘されし禿頭の
      怪人ゑろん少佐を筆頭に草原の狂牛くれすぽ中尉、名良橋兵曹もびつくりの異面きり
      ごんざれす伍長、三日月面のくはせものをるてが中尉そして不気味なる最新兵器さ毘
      おら二等兵など世界にも其の名を轟かしたる一騎当千の実にやつくわいな相手ばかり
      であります。しかし日本の危機を救ふために玉砕覚悟で出撃準備も整った我らには歴
      戦のふるつはもの秋田中山両大尉殿を筆頭に曲線弾道砲術の第一人者中村曹長殿や白
      耳義國陸軍にて奮戦中の輜重兵鈴木兵曹らがおりそして最前線に立ちはだかるはこの
      高原直泰上等兵が並ゐる敵の軍にまつたく怯むことなく痛烈なる致命弾をお見舞ひし
      てやりますから見てゐてくださいまし。とほく聞こへる軍馬の嘶きももなにやら今夜
      は妙に興奮氣味で我らの高揚が動物にも伝はるのでありませうか。どう戦局が転ばう
      とも甚だ凄まじき戦闘は避けられず勿論死の覚悟はできておりますが不覚にも敵弾を
      浴びほんたうに殉死した暁にはどうか骨の一片でも母の許に届けてやつて下さい。既
      に遺書は認めましたゆへ靖国でおはひ出来ればうれしうござゐます。往つてまゐりま
      す。今は去りし仏人元連隊長殿は立ちなほつたこのやうな高原を見たらきつと喜んで
      くれたらうなあ。


帝國陸軍高原直泰上等兵-->溢れる涙に半旗も霞みて    2002:11:22:02:33:43 

      天皇家御一族におかれましては宮様は特にいついつも我ら将兵のことを氣にかけてく
      ださり御身危険をかへりみず戦場まで激励に御脚をはこばれること数知れず、もはや
      これまでと敗戦を覚悟しさふになつた時も宮様の御姿を拝みしことで新たなる勇気が
      もりもり湧ゐてきて一氣に戦局が形成逆転したやうな奇跡は何回もありました。帝國
      陸軍そして海軍も含め全将兵は今後も永遠に高円宮殿下殿を御慕ひつづけることであ
      りませう。特にこの高原上等兵先に我が祖国にて闘はれた空前規模の大戦にては運無
      く肺疾に冒され非常に戦闘能力の高かつた仏人連隊長を指揮官とする紺碧精強部隊か
      ら漏れてしまつてしかも部隊は緒戦の破竹の勢ひが嘘のやうないきなりの敗北で殿下
      の御期待に沿へなかつた悔しさは甚大であります。しかしもういくら自分が大活躍し
      てもその勇姿を殿下にお見せできなくなつてしまい名誉挽回の機会が永遠に奪はれて
      しまゐました。この高原をおゐて先に逝かれてしまはれるなんてあまりの非業に天を
      も呪ゐたくなるやうな悔しさは募るばかりなのであります。
       しかし殿下殿におかれましては常に自分の胸に居られ此の高原が少しでも挫けさう
      なときには励ましの御言葉を調子に乗りすぎた時は叱責の御苦言をそして会心の一撃
      を決めた時には誰よりも歓喜の御声援をいただけることでありませう。もうこれ以上
      は泪が溢れちまつてとても手紙を書けさうもありません。最後に高円宮殿下殿早すぎ
      るお別れに慟哭するほかはありません。安らかにお眠りください。
               万歳。万歳。万歳。


高原直泰帝國陸軍上等兵-->鉄十字に挑むは大日本帝國の誇り    2002:12:07:00:17:22 

      祖国に於ける激しい戦ひも夢の跡この高原上等兵は内地南洋朝鮮台湾の帝國におゐて
      僭越ながら最年少敵撃破王の栄誉を授かりました。そしてその輝かしゐ勲章を胸にい
      よいよ遅ればせながら陸軍先進國欧州へ挑戦の機はまさに熟せし。そして我の照準は
      冷徹無比なる作戦遂行力と最新近代兵器開発力をもつて未だに世界中より怖れらる独
      逸鉄十字陸軍であります。思へば旧くは20年以上前海外転籍兵の嚆矢で陸軍の英雄奥
      寺大佐殿(退役)が力試しされたのもこの國であります。かうなつたら捨身の覚悟に
      て大和魂の権化たるこの高原最近の超越なる攻撃能力を奴らに見せ付け傲慢白人ども
      の鼻を圧し折つてやらうと今から武者震ひしてゐます。幸ひ日独伊は同盟國であり一
      流近代陸軍にて切磋琢磨し陛下の恩に報ゐるはまさに帝國軍人としての矜持でありま
      す。今欧州で闘ふ七人衆に加へ遂にこの高原が遅ればせながら参戦するにあたり自分
      は南米から数へ弐度目の挑戦でありますゆへよもや退路は無き物と腹を括り骨まで埋
      てまゐる氣で精一杯おほ暴れしてやらう。なほ独國にありても可及的に精しゐ情報を
      祖国に入電する旨これを誓ひます。日本の皆様それではご機嫌やう。高原直泰帝國陸
      軍上等兵十二月八日重巡洋艦妙高乗艦にて海路独國へ向かひます。天皇陛下万歳。


高原直泰帝國陸軍上等兵-->凍て付く大地に熱きたましひの咆哮こだます    2002:12:15:02:05:10 

      荒天の印度洋なにするものぞと勇躍渡洋偉大なるスヱズ運河を経て頼もしい戦友帝國
      海軍連合艦隊自慢の高速巡洋艦に便乗遂に長駆同盟國獨逸連邦に達せし陸軍上等兵高
      原直泰は長旅の疲れものかは早速極寒の北獨逸ハムブルク当地の入隊を打診されし栄
      へある強豪歩兵部隊HSV師団の実弾演習に勇躍参加、授かりし亜細亜の暴れ牛との異名
      に恥じぬ比類なき破壊能力を披露けんぐわくに来た隊のおへらがた衆の度肝を抜ひて
      やりました。さうさう獨國といへば難攻不落にしてはなはだ堅牢なるトホチカ番兵其
      の名汎く世界に轟く名門砲兵師団南獨ミュンヒエンバヰエルン大隊の獣面カハン大佐
      殿の牙城でありますがこれを木つ端微塵に粉砕しカハン大佐におほひに悔しひかほを
      させてやりたいと自分の僭越ながらの野望は募るばかりなのであります。しかして他
      の欧州列強同様獨國にも世界各地方より命知らずの荒くれ者たち黒ひの白ひの黄色ひ
      のおほぜい集つてゐていくら大東亜の暴れ牛とてさう簡単に戦果を出せるとはゆめゆ
      め思ひませぬも自分は歳は若ひが南米亜國での辛酸はおほきなこやしにまた千載一隅
      の本土大戦も肺疾で棒に振り挫折も多多経験艱難汝珠にすの例へどほり精神力だけは
      筋金が入りさすがに今度ばかりはをめをめと帰國することすなはち侍としての沽券が
      許さぬゆへ切腹覚悟のかまへなのであります。勿論用兵が当たれば自分とて十分なる
      結果は自信あるところで嘗て奥寺康彦大佐殿や朝鮮出身の車少将殿などが偉大なる足
      跡を記した獨國鉄十字陸軍におゐて是非大先輩に負けぬやうな活躍をして日本國の兵
      隊の優秀さを知らしめそだててくださつた祖國によゐ恩がへしをしたいものでありま
      す。帝國陸軍創設以来最強との誉れ高き強豪部隊不屈の精神力と天才揃ひで他の追随
      を許さぬ存在遠州磐田連隊に入隊五年の歳月を経て血反吐を吐きつつ磨きに磨きしこ
      の歩兵としての比類なき実力果たして最高水準の獨逸鉄十字軍にても通用しと金に飛
      躍なるかどうか試す絶好機まさにここに到来、興奮にて夜も眠れずこれでは明日にさ
      しつかへさうなので今から軍医殿に眠剤をいただきにあがりますからけふはこのへん
      で。


大日本帝國陸軍上等兵高原直泰-->輝く戦功大字勲章を授く    2002:12:21:18:39:33 

      本年破竹の快進撃で全帝國陸軍師団の頂点をつひに極めし史上最強遠州磐田連隊その
      怒涛の攻撃力の突撃兵として殆ど毎時戦闘にて敵に大損害を与へつづけおほひに隊の
      勝利に貢献したとしてこの高原上等兵は川豚陸軍大臣より立派な大字勲章を授かる榮
      譽は身に余る光栄でなかなか落ち着かぬのであります。これも後方からそれは正確な
      る援護砲撃をして下さる藤田中尉率ゐる野砲大隊、堅牢無比なる陣地防御を指揮せん
      田中誠少尉と同期入隊で親友の鈴木少尉率ゐる守備大隊、敵の戦意を挫く各種破壊工
      作にひゐでたる福西機関、戦闘膠着場面の戦局打開用に特殊訓練され敵を大混乱に陥
      れた音速兵士川口二等兵そしてなにより最前線から己の危険もかへりみず全軍を鼓舞
      し続け熾烈きはまりなき敵弾幕ものかは肉を斬らせて骨を断つ戦陣訓の体現者でまた
      そのほがらかなる氣風にて大日本帝國陸海軍全将兵中もつとも國民に人氣が高ひ中山
      雅史大尉が切り開きし突撃道、これらにくわへ兵站輸送補給給水衛生輜重主計等磐田
      大隊に属する将兵軍属民間人全ての尽力の成果でありますゆへ決して自分ひとりの手
      柄といふのはをこがましいかぎりなのであります。此れを伝へる新聞や雑誌の記者さ
      んなどにはどうにかして自社の刊行物を他よりたくさん賣つてやらうと眞実でない發
      言をあたかも事実のやうに創り面白可笑しく脚色掲載するやうな困つた職業意識の持
      ち主がゐてあきれ果てるばかりであります。尊敬する潮来の鈴木兵曹にはあはすかほ
      がなく頭をかかへております。従軍記者は戦場と銃後を繋ぐ掛け橋なのでありますゆ
      へどうか恣意的でなく事実に正確で讀む人に高揚をもたらすやうな爽快なる記事をど
      うかお願ひしたいのでありますが、さうでなければ兵とはもともと多言を蔑む傾向が
      あるゆへますます口が重くなり記事が成り立たぬやうになつて困るのは誰でありませ
      うか。


大日本帝國陸軍上等兵高原直泰-->粛々と迎へし勝負の年    2003:01:01:02:09:13 

      明けましておめでとうございます。
      自分は既に独逸國への出発準備も万端整へて出航を待つばかり。
      ベツケンバウア総統に何としてでも大日本帝國陸軍兵の能力の高きを
      示し同盟國の信頼を獲得すべく全力を傾注する所存であります。
      本年も欧州より高原直泰の特殊電文を宜しくお待ち願ひます。
      (軍機扱ひのためWOWWOW式電信機のみ解読可能です。)
      欧州戦線も何やらかなりきな臭ひやうであり出發前より不穏な
      予感がしてなりませんが日本男児の心意気元氣一杯暴れて参ります。
      今は靖國の社にて陛下の御回復を祈念してゐるのでありますが
      自分の華々し戦果が最高の特効薬になればこそであります。
      それでは國民の皆様本年も平穏無事な年でありますやうに。
      大日本帝國陸軍万歳
      天皇陛下万歳


獨逸連邦共和國陸軍上等兵高原直泰-->雪煙を蹴散らす灼熱の弾幕    2003:01:11:01:49:35 

      世間では屠蘇の酔ひも醒めやらぬ正月五日にルフトバツフェ(獨逸空軍)よりはるば
      る派遣されたるハインケルぢうばくげき機に搭乗、鈴木連隊長殿を先頭に磐田連隊の
      全将兵様ならびに市民の皆様が無数の日章旗を力壱杯振るなか浜松飛行場を飛び立ち
      昼夜を貫ゐて三日極寒の北獨逸ハンブルク郊外の飛行場に無事着陸したのでありま
      す。早速入隊せし陸軍王国獨逸屈指の名門HSV師団の雪中演習に参加新しい戦友に
      面見せを済ませたのでありますが獨逸軍といへども将兵は瑞西ー阿蘭陀ー墺太利ー亜
      爾然丁ー丁抹ーペルシア等実に様々な人種なのであります。勿論高原は前線部隊の尖
      兵としての能力を買はれたのでありますから欧州各地の難攻不落の要塞をたちまち爆
      砕し指揮官弥羅連隊長に早期に認められ突撃兵に選ばれずんば此こに来たかひがまつ
      たくないとゐふもの。かちかちに凍て付く大地なんのその壮絶なる訓練で磨きを掛け
      いざ実戦でどの程度やれるかは正直判りませぬが本場欧州百戦錬磨の将軍達に必ずひ
      とあは吹かせてやりますから國民の皆様におかれましては新聞ラヂオをちういしてく
      ださい。(少年少女諸君は少年倶楽部を良く読んでゐてくれたまへ。)欧州でも帝國
      陸軍並に軍規統制が厳しい獨逸陸軍にてかはらず元氣に頑張つていきますゆへご心配
      なくさふらふ。ただ食堂の食事までお國がらか質実剛健そのものでいささか閉口気味
      でありましたところ兵舎にて戦友達から自國より持ち込みし珍しい菓子果物を貰ひそ
      の美味に甚だ感激したといふよゐ噺もくわへておきませう。


獨逸連邦共和國陸軍上等兵高原直泰-->有難迷惑とはまさにこのこと    2003:01:14:23:52:24 

      帝國軍人の威信を賭し遥遥獨逸國までやつてきた生粋の職業軍人たるこの高原に鮨爆
      弾やらうなる甚だ不愉快なる蔑称が不真面目な獨逸人記者に付けられてしまい困り果
      ててゐるのであります。おほかた獨逸人は日本なぞ殆ど知識興味もなく怖らく帝國の
      ことは富士山と歌麿と鮨くらいしか知らぬのでありませう。ならば先駆者奥寺大佐殿
      や尾崎一等軍曹殿などはどうだったのでせう。勿論朝鮮人の英雄車中尉も朝鮮漬爆弾
      といはれてゐたのでせうね。してなにより獨逸國におゐて鮨屋なるものが存在するの
      でありませうか。あつたらあつたで鮨ねたとなるやうな魚介類は一体なにがあるのだ
      と問ひただしてやりたい。いやはや獨國には未だ一週間しかゐませんがかの獨逸兵達
      こそよくぞあのやうな粗末なる食ひ物であれほど勇猛果敢に闘ふことができるのか甚
      だもつて不可思議千万であります。味覚が相当粗雑にできているのでせう。
      まあ自分としては命知らずの突撃兵らしく凛凛しい名を戴きたいのでありますが一等
      國とはいへ亜細亜の黄色人種の扱ひとは所詮かやうな粗末なものなのでせうか。なら
      ばこそ自分の活躍が少しでも日本人の地位向上ひいては大東亜のあまたの植民地被支
      配民の民族自決意識へ導くことができればと願へばどんな難局でも乗り越へらるに異
      はないでせう。児戯に過ぎぬ蔑称に過剰な反応を示せばやつらの思ふつぼでせうから
      ここは腹でせせら笑つて黙殺してやらう。而しかうしているうちに情け無ひことに旨
      ひ鮨が食いたくなつて腹がぐふぐふ鳴り始めました。高原直泰まだまだ修業が足らぬ
      やうであります。


獨逸連邦共和國陸軍高原上等兵-->髪を剃りいざ合戦に挑まん    2003:01:25:18:39:48 

      ここ獨逸國で全軍戦闘の再開を控へ非常に緊張度の高まつております。そして前線か
      ら特殊電文にて祖国の皆様にこの高原上等兵の合戦直前の様子をお伝へします。只今
      ハンブルク南方のハノオヴァに部隊は展開、味方索敵機が敵高射砲部隊に相當激しく
      やられてゐるなか必死に現況を探つてゐます。近代戦に措ける正確な情報獲得は勝利
      の明暗を分けはいくさの常識でありますがこのあたりは本邦と異なり諜報戦もかなり
      徹底しております。突撃開始時刻は勿論極秘でありますが恐らくあと数時間以内には
      戦闘開始になるでせう。気温は甚だ低下しておりますが天気は快晴高原は既に装備の
      点検を終へ出撃の命を待つばかりであります。本日早朝なんと磐田連隊中山雅史大尉
      殿がはるばる陣中見舞ひに郷里の蜜柑をどつさり届けて下さりますます元氣一杯なの
      であります。大変申し訳無いのですがこちらの軍隊は軍服も銃器も装甲車も大砲も兵
      装すべて大変かたちよく実に素敵な意匠であります。こちらの人から見るときつと自
      分は貧相な猿が軍服をきたやうに見えるのでせうね。髪の毛も剃つちまいましたし。
      (こちらの兵隊に禿頭は殆どいないのです。多分獨逸では一寸足りない大男やん可参
      等兵だけでせう。)それでは点呼がかかつたやうなのでいよいよ戦闘準備に入りま
      す。日本の皆様行つてまゐります。生還せし暁には必ず入電いたします。


獨逸連邦共和國陸軍高原上等兵-->捲土重来を期し時を待つ    2003:02:02:02:03:32 

      このまへの会戦では戦闘指揮役の南米地利國籍のカル屠蘇中尉殿が負傷にて前線を外
      れたため突撃兵と後方の砲兵支援隊や工兵との協調がまつたくかみ合はず自分は敵陣
      まへにて孤立を余儀なくされその混乱に乗じ格下とおもはれし敵軍に弐發も自軍が被
      弾くらつてしまいます。なにしろいくらこの高原が鋼鉄の精神を高らかに誇つてもさ
      すがに単身にて敵の機関銃陣地に突つ込めば瞬間蜂の巣お陀仏犬死にでありますゆゑ
      砲兵隊の援護をひたすら待ち敵陣まへを心ならずも暫くうろうろしていたのでありま
      す。氣心知れた磐田連隊とはまるで異なり言葉すら知れぬ故郷数千里の異國での兵同
      士なかなか流儀が掴めず難しい処でありますがなにしろ自分も結果を出さぬことには
      荷物を纏めてさつさと帰つちまへと隊から放り出されちまいますので明日迎へ撃つ予
      定の難敵ブレーメン旅団との戦闘では絶対に敵軍を自力で痛撃せねばなりません。つ
      るつるに剃り上げし頭部の表面は凍るやうに冷えてをりますが中身の魂はうらはらに
      蒸氣機関車のボイラのやうにそれは熱く燃へさかつてゐるのであります。祖国の愛國
      少年諸君、明日の夜はお父さんにお願ひしわふわふ受信機でおぢさんの活躍を是非聞
      ひてゐてくれたまへ。もしかしたらびつくりするやうなことがあるかもしれないよ。


獨逸連邦共和國陸軍高原上等兵-->凱旋報告    2003:02:11:19:45:00 

      祖國の皆様 自分の活躍は報道にて既に御存知でせう。二時間掛けて入電準備せし稀
      に見る大原稿が送信直前突然の停電にて全て失はれました。あまりの喪失感に甚だし
      い放心状態に陥つておりますゆへ精神の復旧が為されるまでしばしお待ちください。


獨逸連邦共和國陸軍高原直泰鮨上等兵-->國際電信復旧せり    2003:02:13:22:10:26 

      日本國逓信省と獨逸連邦当局の威信を賭して徹夜の回線復旧突貫工事が敢行せられた
      やうで遂に欧羅巴から極東のへの交信が之の度見事に復活せり也。敵國間諜による通
      信破壊の可能性は杞憂であり単なる過電圧に依る遮断機破損が事故原因のやうであり
      ます。さて電信事故報告の後信じられぬ程数多成る老若男女問はぬ激励の電報が極東
      の彼方から自分の許に山のやうに届けられたるはあまりの感激におもはず落涙禁じ得
      ず兵隊冥利ここに尽きると云ふもの也。自分は部隊では唯一の日本兵でありますも決
      して独りで闘つてゐるのではなく私をとほくからこのやうに支へて下さる日本國民の
      皆様に背中からおほいなる力を戴いてゐるのが改めて実感されますます不退転の前進
      あるのみなのであります。述懐するも敗戦きはめて濃厚であつた戦闘終了直前東洋か
      らきた禿頭の無名兵が陥落せしめたるは何と当面攻略不能と思はれてゐた難攻不落の
      怖らくは欧羅巴随一の堅牢さを示し足る欧州では跳梁甚だしい南獨バヰエルン師団の
      名物獣面織場貫大佐設計のコンクリイトブンカーでありました。このやうな被害はバ
      ヰエルン師団に取り実に久し振りで鼻をヘシ折られし渋面織場貫大佐はかほをまつか
      にしておほひに憤怒したとこちらの報道が伝へて居りました。之の快挙は欧州中に瞬
      く間に打電され高原上等兵の名は一躍各國陸軍の知らしむところになつたのでありま
      す。然してあの破壊弾も僚兵中近東ペルシャ國陸軍出身の間羽田二等兵の絶妙なる側
      面砲撃無くしては生まれなかつたのであり実に頼もしきは東洋の麒麟児であります。
      さあ眞価を問はれるのはまさにこれから、戦ひは始まつたばかりであります。何しろ
      之からは自分に向けそれは容赦なき集中砲火が撃盛浴びせらることは確実でありその
      中で堅牢な防御を誇る各方面獨逸陸軍部隊を撃破することが義務づけられてゐるので
      すから。然し之より猛訓練を重ねて現在以上にHSV師団の戦法に習熟し砲兵隊、機
      甲師団、輜重兵等の地上部隊そしてスツーカ地上攻撃機隊等の空軍援護部隊の連携が
      円滑になれば自分の必殺弾も面白ひやうに命中して行くやうでありませうから御心配
      なく也。決して南米亜爾然丁國陸軍在籍時分の苦ひ轍は踏みますまい。何て云ふても
      祖国にて吉報を待ち焦がれて居る皆様そして愛國少年少女諸君の為にも痛快無比なる
      活躍をラヂオニュースにてお待ち願ひます。そして知らぬ間に付けられし鮨爆撃手な
      る珍妙なる渾名から早く鮨の文字を剥ぎ取るために。俊峰富士を仰ぎし駿河の少年戦
      車兵から始まりし高原直泰の軍歴がいよいよここに佳境に入りゆく氣配濃厚でありま
      す。


獨逸連邦共和國陸軍上等兵高原直泰-->手負ひの狼部隊不屈の抵抗天晴れなり    2003:02:18:00:06:54 

      獨逸國陸軍の象徴的存在織場大佐を凹ませし余韻も未だ覚めやらぬ一昨日虚を突き白
      昼大胆にもハンブルク近郊にヲルブスブルク連隊(別称狼山部隊)が侵入、一般市民
      が逃げ惑ふなか凄絶なる市街戦闘が行はれました。一躍有名人となった自分には予想
      どほり敵狙撃兵の標的にされ特に将来獨逸陸軍を背負ふであらふ狼山部隊の秘密兵器
      若干はたちの巨漢フランツ二等兵の自分へのライフル射撃はいふに及ばず擲弾筒そし
      て手榴弾攻撃と手をかへ品をかへの執拗な攻めにほとほと手を焼ひたのでありますが
      いよいよ最後武器を捨てての白兵戦で柔道二段この高原の大外狩りが炸裂何とかこの
      難敵を始末せしめたのであります。さて敵弾の迫り来る中をHSV連隊一団となりて
      の反撃に次々と敵兵を血祭りに揚げて勢力の二三割を失はしめるも敵軍の士気は益々
      軒昂。嘗て獨逸陸軍正規軍に在りて獅子王と称された猛将ゑふぇんベルク少将の陣頭
      指揮の許乾坤一擲なる鳥肌の立つやうな猛攻を続けたのでありますが最後は彼我の兵
      力差の前に阿弗利加出身の優秀なる土人兵(名前失念)の一撃に万事休せしめたので
      あります。如かして之こそが俗にいふゲル萬だましゐといふものなのでせうか。どん
      なに劣勢にならうと絶対に勝負を捨てぬ之ほどまでに鋼のやうな強靭なる精神は決し
      て他國の軍隊では有りへず敵ながらおほひに見上げたる立派な敗れ際でありました。
      残念乍ら今回の戦闘で自分は敵の集中砲火に殆ど前を向けられず敵に損傷を与へられ
      なかつたのが実情でありまるで囮役でありました。兎に角優秀なる兵に必要なるは眼
      にも止まらぬ電撃戦下でも一瞬の正確なる弾着誘導であります。いよいよ欧州陸軍強
      豪國本場の実戦部隊が物凄ひ圧力で亜細亜からきた牛若丸を潰さうと本気になつてき
      たやうでやれやれ最早貰った麦酒でへべれけになつてゐるわけにもどうやらいかぬや
      うな情勢であります。


帝國陸軍鹿角連隊名良橋晃一等軍曹-->若気の至りでは済まされぬ蛮行    2003:02:20:00:30:29 

      今や大日本帝國陸軍の竜虎、我が潮来鹿角連隊と好敵手遠州磐田連隊との実戦大演習
      が今夜帝都外苑運動場にて勇壮に行はれた。伯國製の強力兵器を二基前装し昨年度よ
      り著しく戦力向上した我が軍は霊将秋田大尉殿以下磐田連隊依り投降捕獲せしおほ岩
      伍長殿東京近衛師団派遣依り帰還せし相馬曹長そして般若も失禁しかねぬ最近一層凶
      相化甚しい之の名良橋らの歴戦の古参下士官及び兵と柳さは三等軍曹中蛸上等兵陸前
      寒村漁師の倅小笠はら二等兵らの頼もしき部下達が見事に一丸となりて磐田連隊に付
      けゐる暇すら与へずを之を一方的に粉砕せしめた。敵軍は本邦最強の兵高原上等兵を
      失ひし影響相當甚大でその攻撃力低下は信じられぬ程最早我が連隊の脅威とは成り得
      ぬとの寂しき状況也。その腹ゐせか知らぬが敵軍の西野とか申す見習ひ三等兵が卑怯
      にも背後より至宝柳さは軍曹を襲ひ重傷を負はせたるは許し難き狼藉にて兵の風上に
      も置けぬ由々しき蛮行也。以つてこの落としまへはしつかり着けさせて貰ふからその
      つもで。ああまた之の怒りで俺のかほ一体どうなっちまふのだらふ。もう自分でも鏡
      こはくて見れないぢゃないか。


帝國陸軍内局電信部秘-->コードネームsushi暗号改竄の危惧あり    2003:02:26:00:40:09 

      獨國依り入電せしT上等兵の内容に乱れたる部分認めらる。大至急暗号様式の変更を連
      絡されたい。敵國諜報機関に依るDISINFOMATIONの可能性在り也。


獨逸連邦共和國陸軍上等兵高原直泰-->名誉ある敗走    2003:02:26:00:27:54 

      獨逸國各方面軍に於ひて如何なる難敵の攻撃に対しても無類のしぶとさを発揮せる南
      部の要塞皇帝スラウテルン師団を攻略せんと意気軒昂なる我がHSV旅団は特別編成せし
      自慢のパンツアー機甲師団にて総攻撃を敢行猛烈なる砲火を敵要塞に集中相當なる直
      撃弾を与へた筈なのでありますが突如獨國空軍エース黒瀬准尉が飛来対戦車推進弾を
      発射被弾せらる友軍戦車隊は多数大破炎上の大損害を蒙りました。多数負傷兵を輩出
      せしHSV旅団は止む無く退却歴戦の洞バッチ少尉二百戦目を勝利にて祝ふこと適わず誠
      に悔しゐ悔しゐ敗戦でありました。之の高原も何とか一矢報ひるべく奮闘したのであ
      りますが要塞は堅固で敵砲撃も苛烈でありまたまた手柄はおはづけのやうです。さて
      次戦くらひよりいよいよ前線に露目男軍曹が戦線復帰しさうで自分も非常に高揚して
      ゐまして何としても我ら攻撃陣が本領発揮し目に物見せてやらねばおへらがたの痺れ
      が切れちまふかもしれません。祖國の愛國少年少女諸君高原が本気になると頓でもな
      いことをするから氣を付けてゐてくれたまへ。其れはさうと米國が中東イラク國王の
      蛮行に業を煮やし成敗してやらうと意気巻ひて居りますも何一かは向けば石油が欲し
      いのでありませう。ならば正直にさうだと云へばいいのに全く白人達は相変はらず自
      分らの正義を有色人種に押し付けて酷い目にあはせてゐるのは昔と全くかはりませ
      ん。自分はさういふことは良くわからぬのでありますが単純に罪なき子供達が理不尽
      に殺されることがただただ不憫
      ならぬのであります。戦争は戦争屋同士でやるべきものであり無辜の非戦闘員は絶対
      に標的にしてはならぬこと之兵法の基本であります。
      嘗て米國に原子爆弾を投下され惨い仕打ちにあつた日本國民は今こそ其れを正々堂々
      世界に主張すべきではありますまいか。


高原直泰上等兵獨逸連邦共和國陸軍所属-->悲痛なるイラク人民の声を訊け    2003:03:30:18:38:33 

      中東亜細亜イラク國に在り圧制に苦しむ人民を開放せんとの義をもつて君臨せる
      独裁王布施院と其の軍を征伐すべく上陸した米國英國連合軍精鋭部隊が猛烈なる
      砂塵舞ふ荒野にて果敢に激闘を繰り広げ首都バグダアドまで十数里の処迄迫つた
      やうでありますが旧式装備なるも自殺特攻も厭わぬ士気きはめて高き敵軍の反撃
      に相當手を焼いてゐるやうであります。矢張り所謂アウエイ戦といふのは厳しき
      もので投降せし兵士が卑怯にも突如発砲したり無数の蛸壷に潜みし狙撃兵の銃撃
      など前線の兵士達はさぞ想像を絶した緊張を強ゐられしことでありませう。そも
      そも基督教徒と回教徒では水と油のやうに決して交はるものではなからうと思ふ
      のでありますが仏教徒の自分には更に訳が判らぬのであります。さて自分が所属
      せる獨國陸軍はかのイラク征伐には諸事情により参加を見合はせております。何
      しろ前回大戦で欧州におほきな戦争の傷跡を記せし國家社会主義獨逸労働者党と
      第参帝國の恐怖は未だ人心に深く刻まれており統一なつたとはいへ獨逸國に限つ
      てはそれゆへ軍隊がさう簡単には武力行使できぬ雰囲気があるのです。その点派
      軍しておらぬ仏蘭西のもつともらしひ戦争反対の一見耳障りの良ひ主張も実は最
      大の輸出品目が兵器であり最大のお得意さんが中東産油國であるといふ死の商人
      の計算高い狡猾なるリアリズムを忘れてはなりません。我国は米國と軍事同盟を
      締結してゐる義理で渋々追従しているゆへ此の高原に召集がかかるやもしれませ
      ぬがさうであつても余り気が進まぬのが本音であります。兎に角布施院國王は
      自國人民の血を此れ以上流さぬやうとつとと降伏して欲しゐものであります。
      戦争が勃発したあほりで通信統制が敷かれ定期入電が乱れしことをお詫びいたし
      ます。引き続き祖國にて行はれた南米ウルグワヰ國陸軍との大演習の模様を報告
      いたしますので暫くお待ち願ひます。


高原直泰獨逸連邦共和國陸軍上等兵-->佛人連隊長突如現る    2003:04:03:00:02:19 

      昨年の世界大戦後逐電せられたかの懐かしい前大日本帝國陸軍精強部隊指揮官佛
      人連隊長が春の使者桜華の香に誘われしかひょつこり帝都東京に出現せられまし
      た。謙譲を美徳とする精神風土に強烈なる自己主張を以ちて日本陸軍史上最高な
      る天才揃ゐでならした精強部隊を率ゐて世界相手に奮戦せしは誠に輝かしい功績
      を記せし事実未だ記憶に鮮烈なのであります。佛蘭西のしがなひ畜肉屋の倅が曲
      折のすへ極東の陸軍指揮官となりたる全く数奇なる運命ではあります。さてそろ
      そろお待ちかねの祖国における南米ウルグア尹國との殆ど実戦張りなる神宮大演
      習場での実弾演習の噺にいきませうか。小國とはいへ彼の國は世界大戦を既に二
      度まで征してゐる陸軍大國でありますれば最近進境著しいとはいへ所詮亜細亜の
      新興國に二度までも凹まされし訳には到底いきますまい。世界各地より最高の兵
      をかき集めし伊太利亜ミラノの國際連隊にありて八面六臂の活躍で勇名を馳せし
      支那人様顔貌の天才玲古場中尉を中心にそれは容赦なき攻撃を仕掛けて来ました
      が、我が新指揮官而虎元帥編成の我が新精強部隊は良く応戦自分の相棒突撃兵七
      転び八起きの達磨精神にて戦場を縦横無尽に暴れ廻る白耳義陸軍所属の鈴木二等
      軍曹と共に敵陣に捨身の突進を敢行したのであります。特に前線直下に控へし我
      日本のかけがへなき至宝中田中尉殿南伊太利亜義勇軍の救世主茸曹長殿阿蘭陀陸
      軍にて軽業師の異名を戴く同期小野上等兵そして近代陸軍発祥の地英吉利にてセ
      ンチュリオン重戦車に乗り當をこれさひわひ数多の敵を粉々にしてゐる戦車兵同
      期の稲本上等兵等は見事なる進軍指揮にて強豪を相當追ひ詰めました。双方とも
      可也の被弾を蒙るも衰えぬ敢闘精神を遺憾無く発揮最終的には互角の戦果にて勝
      負はおはずけになつたのであります。久し振りに祖國の地を踏み國民の皆様に自
      分の成長をお見せしたかつたのでありますが甚だ力みすぎてしまつて動きはぎこ
      ちなくなんだか屁ばつかひいてしまつて後に続きたる友軍はかなり臭かつたらう
      と思ふのでありますが皆流石に立派な帝國軍人でありまして戦闘後の会議でもそ
      のやうな尾篭なることを申す人は一人もおらずんば少々贖罪の念に駆られたので
      あります。現在獨逸にとつてかへし反省しきりでありますが既にこちらでは次な
      る難敵ドルトムント攻略を控へ猛訓練が再開してゐますので自分の活躍が暗い世
      相を少しでも吹き飛ばす一助になるべく阿修羅の精進を続ける所存であります。


獨逸連邦共和國陸軍兵長高原直泰-->戦果伴はぬ兵長昇進甚だ恥ずかし    2003:05:23:11:59:35 

      大日本帝國臣民の皆様実にお久しぶりでござゐます。新聞外電やラヂヲで恐らく
      御存知と思はれますが此の不肖高原直泰異國の軍にて異例の兵長昇進の栄誉に思
      ひがけず与りました。嘗て祖國ではばつたばつたと面白ひやうに敵を斃したもの
      ですが流石に世界に冠たる陸軍王國獨逸ではさう簡単には一歩の前進さへ許され
      る訳も無く不動の石を動かすやうな其れは厳しい戦ひが続いておりました。間も
      無く一連の作戦が終結しますも合計たつたの三發しか自分は直撃弾を命中させて
      おりません。折角僚兵まはだ上等兵の的確なる援護を頂くも敵守備陣の苛烈なる
      弾幕にて前も向けぬのです。勿論亜細亜に於ける戦闘と異なりこちらでは砲弾の
      口径も門数も遥かに凌駕してゐて更にはロケツト弾やらV号弾道ミサヰルなる破
      壊兵器も実用化されており攻撃力はまさに圧倒的であります。また防御兵器もま
      すます進化してゐて挙句の果てはプロペラが無い戦闘機が重武装で信じられぬ速
      度で飛び交つてゐるのを見たときには腰を抜かしました。何しろ結果もお粗末な
      る黄色ひ坊主の田舎兵が何の間違ひだか昇進とはとても有得ぬ噺と、いつも自分
      をからかつてゐる隊長がきつと騙したのだらうと思ひ放つておひた処本人が兵舎
      にやつてきておほ真面目に伝へるにやうやく事実だと信じた次第なのでありま
      す。此れは恐らく自分を発奮させる為の計らひなのでせうがさうなればなつたで
      結構な数の獨逸人の部下達を持つことになつてしまい良ひ手本を示さねば恥を掻
      くといふ当に隊長の思ふ壺ではありますまひか。さて極東亜細亜台湾省や支那大
      陸各地では原因不明にして容易に死に到るといふ怖ろしい感染症が蔓延している
      さうですね。広大なる大陸は未開でありまた支那人の衛生観念もまつたくお粗末
      きはまりないやうなので何とか優秀なる防疫部隊が一刻もはやく菌を駆逐されん
      ことを祈ります。なほ今月末に朝鮮人の精鋭部隊との実弾大演習が行われるやう
      ですが敵はこと日本人相手だと尋常ならざる闘志を向けてくるので油断は禁物。
      また返り討ちにして玄海灘に追ひ落としてやりませう。自分は同じ直の名を持つ
      瀟洒なる牛若丸石川幼年兵の変幻自在なる跋扈と幕末藩士のやうな不敵なる面魂
      薩摩の荒くれもの大久保三等兵ら若ひ元氣ものの恐れ知らずの大活躍を願つてや
      みません。それではさようなら。


獨逸連邦共和國陸軍新兵長高原直泰-->同盟國伊より届きし中田中尉の苦悩    2003:05:27:14:14:56 

      獨國の南方アルプスの更に南に位置す同盟國伊太利亜國陸軍のぱるま市師団に所
      属せる大日本陸軍史に稀なる最高級の頭脳と崇高なる精神そしてくろがねの肉体
      の持ち主で大東亜が誇る不世出の戦闘指揮官信玄以来の甲州の雄中田英寿中尉殿
      がつひに堪忍袋の緒を切らしたやうであります。軍が最終的に勝つ為には兵全て
      が戦略を徹底優先させ自らの犠牲も厭わず組織に身を捧げることこれ兵法の基本
      であります。中田中尉殿も本来の持ち味である前線での華かなる攻撃を封印し簸
      たすら地味な裏方に徹してきたのでありますが、ぱるま攻撃兵の陸奥、亞鳥亞野
      両二等兵はそんな中尉の献身も知らずにやりたい放題の狼藉振り、味方兵も踏み
      つけて手前の手柄にしたい余りの勝手振りに流石の心広き中尉も激怒し軍上層部
      に対応を懇願したのでありますが兵隊やくざの報復に腰抜け参謀たちは見て見ぬ
      振り。孤軍奮闘の中尉殿はすつかりやる氣を亡くしてしまつたといふわけです。
      孤高の戦士中田中尉殿、自分はどのような逆境にも自分を信じ自分を貫きとほす
      その自信と根性に心より敬服するのであります。それにしてもあの陸奥のやらう
      め実にふてぶてしい奴だ。一發痛ひ目に逢わせてやるからちういしろよ。


大久保の親でございます-->兵長様へ    2003:05:29:23:32:07 

      いつもお世話になっております、今回の任務で息子が最前線でお国のために
      見事に責任を果たすことを心より願っている次第でございます。
      なお、息子は保人ではなく嘉人でございます。
      失礼かとは思いましたが、靖国に祭られる時に名前が違っていては
      息子も不憫と思いまして筆を取った次第でございます。
      重ね重ね、失礼をお詫びいたします。                
      夫と共に大戦果のご報告のあることを一日千秋の思いでお待ち申し上げる
      次第でございます。         
                         草々 


大本営東部方面二十三時發表-->安少佐の一發に沈黙の精強部隊    2003:06:01:00:21:10 

      あはだかふだ言ふまへに侍らしく潔く負けを認め我が軍を組み伏せし敵を称へま
      せう。けふは相手の闘志の方が上回つてゐたやうに見へました。勿論我が部隊も
      最後まで諦めず必死で戦ひはしましたが紅軍の組織的抵抗は堅牢きはまりなくま
      た我が攻撃方法あまりにも無策で殆ど敵軍に最後まで損傷を与へられず逆に闘志
      ならびに戦闘力きはめて旺盛なる勇名馳せし歴戦の突撃兵をずらり揃へし朝鮮部
      隊のそれは凄まじき前進に秋田大尉率ゐる日本守備陣もおおわらは。留めに朝鮮
      人民の輝く星で危険きはまりなき天才安少佐に手痛ひ敵ながら見事なる直撃弾を
      被弾してしまつた我が軍は結局そのまま敗れ去つたのであります。雨の戦場は地
      面も悪く稲本兵長率ゐる自慢の重戦車部隊は泥に無限軌道は空転し満足に前進す
      らできぬは鈴木軍曹得意の特攻囮陽動作戦も何なく敵に読まれてしまふは三都主
      軍曹得意の高速ミサヰル攻撃も台車を狙はれるは手堅ひ筈の中蛸上等兵もいつに
      なく射撃精度が悪ひし闘将中山大尉も前線で孤立無援の態そして戦闘指揮小笠原
      上等兵には狂つたやうな敵の集中砲火が浴びせられる始末で我が軍の攻撃は見事
      に殺がれてしまつたのであります。衛生兵ながら名良橋軍曹も勇躍長躯戦場を駆
      け上がり何度も爆弾を抱へて敵陣に迫るも敵弾幕に成す術もなく退却せられ相當
      の負傷を負つたやうだし服部少尉も自慢の通信機が雨で濡れこはれてしまい前線
      と基地との連絡が不能になりおほひに戦闘に支障が生じたのであります。しかし
      天気は敵にとつても同様であるし何より日本軍は自國での有利なる戦ひだつたは
      ずなので全くいひわけになりません。ひとつだけ希望があるとすれば膠着せし戦
      闘局面を打開せんと投入されし初陣大久保三等兵の垣間見せし非凡なる能力では
      ないでせうか。さて帝國陸軍精強部隊が本國で半島軍に完敗してしまつた苦ひ事
      実を陸軍大臣川淵三郎閣下はどう國民に説明するのでありませうか。


大日本帝國陸軍兵長高原直泰-->仏國の地に空切るは我が巨弾也    2003:06:20:00:10:48 

      五大陸の各最強國陸軍部隊が佛蘭西の地に集結真の世界最強陸軍を決定せんとす
      る凄絶なる作戦の火蓋がつひに切られました。此処欧州でも其の名轟く而虎元帥
      率ゐし我が大日本帝國陸軍精強部隊は初日英領新西蘭軍を奇襲敵の混乱に乗じ中
      村曹長殿の巧みなる砲撃と中田中尉發せし山砲の直撃弾にて此れを物の見事に粉
      砕せしめおほいに凱歌を挙げ今後の難敵との戦闘に向け幸先良き緒戦勝利を得た
      のであります。只日本随一の攻撃力を自負す此の高原情けなきことには全く持つ
      て精彩欠ひてゐて部隊に何の貢献も出来ませんでした。獨逸連邦陸軍での苦しい
      戦ひのなかで成長せし自分をひらうしてやらうと意欲満々でありましたが何故か
      思ふやうに身体がだふにもかふにも動ひてくれぬのでありました。自分と共に前
      線にて奮闘せし浪速の荒くれ者大久保三等兵には上官乍誠に迷惑を掛けてあはす
      かほもなく恥ずかしい限りなのであります。しかし此の借りは次なる戦闘が予想
      されし当地佛蘭西國精強部隊との決戦にておかへしてやりますので御安心あれ。
      人型砲弾と怖れられし高原兵長はそんなにやはではありません。國民の皆様明日
      は堤燈行列の準備をお願ひします。何より其れが玉砕せし秋田大尉以下鹿角連隊
      所属の兵士達への最高の手向けになるでせう。さて此方の精強部隊は若き獅子達
      が戦闘の疲れも見せず皆花札や泥鰌掬ひなどをして愉しんでをり頼もしき限りで
      あります。きつと世界をあつと言はせてやりますから見てゐて下さい。なほ我が
      恩人前帝國陸軍精強部隊指揮官の佛人連隊長があらはれ義理堅くも陣中見舞ひに
      ゑしかるごといふやうな珍なる食ひ物を届けられ早速賞味したところ頗る美味に
      て感動し卑しくも十一個も食つてしまつたところうつかりしてたまたま席を外さ
      れてゐたよりによつて苦手な気難し屋川口伍長殿の分を残しておくのを忘れてし
      まい其れを黙つてゐて下されば良ひものを中田中尉殿が面白がつて喋つてしまふ
      ものだから伍長の怒るまゐことか食ひ物の恨みと此のところ実戦部隊から外され
      てゐた苛苛も溜まつてゐたせゐもありねちねちと恨み言を聞かせられ甚だ閉口し
      てゐるのであります。


高原直泰帝國陸軍兵長-->帝國陸軍の威信を賭し最強陸軍に挑む    2003:06:20:14:09:46 

      我一番電信也
      我一番電信也
      我一番電信也


大日本帝國陸軍二等兵坪井慶介-->世界に誇りし我等帝國陸軍兵    2003:06:21:19:06:30 

      お父様お母様 慶介は今亜細亜より遥か彼方の欧州佛蘭西國前線基地にて昨日の
      激闘で疲弊した体を休め兵の命陛下依り賜りし三八式歩兵銃の整備に余念があり
      ません。思へば主力機甲師団を温存とはいへ佛國陸軍は流石に一流の兵揃ひでは
      ありましたが大和魂を科学で武装した我帝國陸軍精強部隊の神兵達は連戦の疲れ
      も微塵も見せず装甲貧弱を補つて余りある冷静に且つ実に効果的に総攻撃を為し
      あはや巨人を弊さん寸前まで力闘したのであります。結果は実に不運な二發をく
      らひ惜敗といふわけです。然し此の戦は帝國陸軍が完全に優勢でありました。つ
      まり戦に勝ち勝負に負けたのであります。新開発四式中戦車改で遮二無二突進す
      る中田中尉殿や前線で敵陣中に突入を繰りかへす高原兵長殿、狂つたやうに野砲
      を撃ちまくる遠藤上等兵わけても陸軍兵技廠中村軍曹殿の開発せし曲線弾道砲の
      精度が甚だ向上し敵のあはてふためくざまは誠に痛快きはまりなく帝國の科学力
      の凄さに胸をおほきく張つてゐます。慶介は精強部隊では新参兵ではありますゆ
      ゑ此処にゐる事自体が勉強勉強の毎日であります。お父様お母様心配は全く御無
      用自分は帝國陸軍守備大隊の欠かせぬ壁に成長し大恩に報ひるべきと思つてをり
      ます。其れでは点呼がありましたので行つてまゐります。さやうなら。


大日本帝國小本営發表-->高機マル秘電    2003:06:22:21:18:33 

    明日ノ総攻撃ニ使用スル武器以外の携行品
          
      守備大隊土木中隊楢崎中尉=予備の砂嚢15袋程度
      守備大隊坪井上等兵=予備軍靴(デキレバゴム底)予備ゲートル
      守備大隊宮本中尉=拡声器                        
      守備大隊兵站補給糧食給水輸送担当運転手軍属山田さん=遺書
      守備大隊三都主軍曹=突撃一番
      守備大隊遠藤軍曹=双眼鏡
      守備大隊中蛸上等兵=敵投降勧告ビラ
      攻撃大隊中田中尉=写眞機
      攻撃大隊中村軍曹=日章旗
      攻撃大隊大久保三等兵=モルヒネ
      攻撃大隊高原兵長=慰問袋
       予備役
      守備大隊川口伍長=脚立
      守備大隊服部中尉=殺鼠剤
      攻撃大隊森岡大尉=養命酒
      攻撃大隊永井上等兵=雑巾及石鹸
       以上 参照後可及的速やかに消去されたし


獨逸陸軍高原直泰兵長-->をんなには氣を付けるべし    2003:07:05:01:39:03 

       嘗て日本が四流陸軍だつた時代に歴戦の突撃兵として活躍されし元帝國陸軍柏
      連隊所属現帝國陸軍出羽師団蔵王連隊指揮官柱谷幸一少佐殿が某国の奸計に陥ら
      れ無念にも其の責を負ひ除隊の憂き目にあつたやうであります。何でも敵放ちた
      るをんな間諜たるや乳房のおほきさ甚だ尋常ならざるものがありむさ苦しゐやら
      うばかりの軍隊生活にあつてはそのやうな色香に惑はされ思はず己を見失ふのも
      男である以上いたしかた無き業ではなからうと同情を禁じへぬのであります。し
      かして眞の兵道をきはめるに邪念は敵如何なる時も誘惑に打ち勝つ修行僧の禁欲
      を常に忘れてはなりません。名指揮官として名を馳せ嘱望されてゐた少佐殿だけ
      にこのやうな不覚にて職務を負はれしは誠に慙愧に耐へません。何時何処に敵間
      諜が跋扈してぐすねひゐてゐるか油断も隙もないのでありますゆゑ用心に用心を
      重ねるに過ぎることはありません。とはいへ此の高原も若さゆゑ下の銃剣の扱ひ
      は正直申しまして余り熟達しておらずいざといふときに絶対暴發しないかと問は
      れると決してそれはないと胸を張つていへない情けない俗物なのであります。獨
      逸の豚のやうに太つた大女ばかり見てゐると如何に日本女が素晴らしいのかがか
      えつて眩しいほど良く分かりました。あれこれ己に厳しくなるために強きこころ
      を戒めたいと願ふのはやまやまなのでありますがどうにもかうにも少佐殿が羨ま
      しくて堪らぬもう一人の自分が脳内に住み着ゐてをりいつまでも出て行かずり甚
      だ困り果ててゐるのであります。


獨逸連邦共和國陸軍兵長高原直泰-->天知る地知る我が情けなき笑ひ    2003:07:17:10:44:59 

      獨國の西方仏蘭西の地にて戦術上きはめて有利な状況に在り乍ら自らの慢心に依
      り敗れ去つた帝國陸軍旅団に於ひて経験の浅ひ大久保三等兵を従へ攻撃部隊の切
      り込み役として陛下からも特別なる御神託を戴き自信満々にて戦ひに望みし此の
      高原兵長恥ずかしながら勝利に何も貢献できぬうゑ決定的なる戦機に全く敵軍に
      損傷を与へ得ず当に最低の兵と成り下がりました。何しろ此の役立たずの木偶の
      棒は何と戦闘開始直前へらへらと薄笑ひしてゐたのを戦地の民間人に目撃されち
      まつたのでありますが恥を忍びて申しますと自分は本當はきはめて小心な詰まら
      ぬ男なのでござゐます。強がつておほきな法螺ばかり吹ひてゐますが内心は逃げ
      帰りたい氣持ちばかりで戦闘前はいつもぶるぶる震へてゐるのであります。その
      恐怖感が露見しないやう笑つて誤魔化して居るのでありませうね。侍たるもの真
      剣勝負の前に白い歯を見せるなぞその時点で勝負在り武士失格でせう。自分は帝
      國陸軍の面汚しで兵隊の資格なぞないのであります。さういふ意味では射撃は下
      手で色々叩かれても潮来の鈴木兵曹は普段からいつも噛みつきさうなおほかみの
      やうな怖ひかほをしてゐて笑ふかほなぞ見たことないし若ひ大久保君も徹頭徹尾
      氣合の入つた野武士の面構へを終始崩しません。嗚呼自分も嘗て同じ仏蘭西の地
      にて戦闘中笑ひ続けその後帝國陸軍の恥晒しと罵られた挙句失踪せし薩摩の城上
      等兵のやうな悲惨なる末路が待つてゐるのでありませうか。伯國陸軍の恩師づん
      が中将が此れを知つたら一發や二發じゃ済まないだらうなあ。いつたゐどうした
      ら良ひのでせうかもう自分は殆ど混乱状態なのでありますが。


獨逸連邦共和國陸軍兵長高原直泰-->異國にて奮戦せる我が帝國陸軍兵士官    2003:07:19:23:48:25 

      伊國陸軍 張間連隊中尉 中田中尉 さあ次は母國の舞台でおほあばれ
           空振亞連隊 茸二等軍曹 引き籠り抜け出せたなり羅典の地
           毛之場連隊 富山上等兵 度が過ぎたる好色だけが心配なり
      大英帝國陸軍 古食連隊 稲本兵長 不調やと予科錬以下になつてまふ 
             倫敦取手南無連隊 戸田伍長 戦場の蛇かうもりとは俺のこと
      阿蘭陀陸軍 六照陀無連隊 斧兵長 才ありすぎてかえつて使ひ道に困るなり
      葡萄牙陸軍 不羅賀連隊 廣山少尉 地味なれどゆめゆめ俺もおはすれなく
      朝鮮國陸軍 安養連隊 前園二等兵 半島も住めば案外都なり
      支那國民党軍 藤吉便衣隊員 ああ俺もつひに果てまでやつてきた
      獨國陸軍 高原兵長 実は俺大したことないじゃん内弁慶 


伊國陸軍中田英寿中尉-->我羅馬師団羅對尾連隊へ転籍也    2003:07:28:14:32:36 

      恐らくは近日中に正式なる發表に至りや(伊太利亜) 


獨逸連邦共和國陸軍兵長高原直泰-->遠きに在りても魂は靖国の社に    2003:08:14:21:43:00 

      陛下の玉音が太平を開きし八月祖国の為に散つた御霊が靖国の社にかへつて参り
      ます。陸軍兵長不肖高原欧州でもひとあし早く戦闘の火蓋が切られし此の獨逸に
      おゐて手を合はしかうべを垂れて祖国のいしづへとなりた先人の霊のとむらひを
      おこなふのがせめてもの勤行なのであります。
      さて二十日に祖国にて開催せる天覧大観兵式にこの高原も栄誉ある招聘を授かり
      はるばる欧州より馳せ参ずることになりました。演習戦の相手はこれもとほく阿
      弗利加の英領ニゼリアといふ土人國の部隊で最近めきめきと頭角をあらはしてき
      た強豪で槍や毒矢を用ゐたり奇つ怪な祈りで相手を呪い殺すといふ何やら甚だ不
      気味きはまりない連中であり密林での戦闘に持ち込まれますと本来裸族でありま
      すから縦横無尽に跋扈し恐らく如何に我が方が近代兵器で武装しやうと正攻法で
      は相當なる損害をこふむる公算大であります。演習といへども神宮の森に逃げ込
      まれるとお手上げではないでせうか。そもそも未開の土人軍に演習と実戦の違い
      が理解できてゐるかどうかも疑問でありましてそのところ而虎元帥は如何なる秘
      策を練られてらつしゃるのか早く知りたいところでなのであります。



     帝國陸軍高原 その1 その3 びでメール 報恥スポーツ


サッカーカフェ からの転載をまとめたものです。


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