@ルーザー(その3)


23(終)  投稿者:BECK  投稿日:2000/07/16(日)07時58分04秒  ■  ★ 

      私の視界に入るすべての風景が狭窄してゆく。緑、白、黒、灰色の4色で構成される世
      界がゆっくりと閉じ始めた。私は今まで歩き続け、見てきた物を感じた物をすべて緑色
      のカンバスへと白色の絵の具を垂らして描いた。この奇妙な世界の中で春が終わるのを
      味わい、そして夏が来た。私はこの世界のすべてのイカレタ住民たちに感謝した。
      そんなことを考えながら、私がまず始めに何をしたかというと、街外れにある原色の赤
      と白の縞模様の付いた、大きくて高いアンテナ塔のような建物に向かって歩いた。私は
      そこの1番高い場所へと登り、外界からまったく遮断されたこの高い塔から街を眺めた。
      ここからは何もかもが見えた。

      あそこでは、数人の高校生が1人の初老男性にリンチを加えています。あそこでは、数
      人の男性が1人の女性を輪姦しています。あそこでは、少年が幼児を鈍器で殴り殺して
      います。あそこでは、小学生が麻薬を買っています。あそこでは、小汚い奴が首を吊ろ
      うとしています。あそこでは、おばあさんがダンプカー轢き逃げされています。あそこ
      では、乞食が自慰をしています。あそこでは、莫迦が世界制服を企んでいます。あそこ
      では、核ミサイルのボタンを押しそうな青年が歩いています。

      私はここですべてを抹消させる計画を立てようと思った。まずは紙とペンを用意して具
      体的な起承転結を練り、それを文章化して論旨を整え吟味検討を繰り返し1つの巨大な
      草案を作り出す。そして脳内議会に提出して、会議は踊り続け殴り合い殺し合いの果て
      についに可決。それを粗末なタイプ・ライターで清書して、それをこの高い塔(赤と白
      の)や高いビルから勢いを付けて放り投げ、勢い余って落下する。

      それは風に乗って各地に運ばれて、その大半は塵と失われて何の意味の成さない。その
      一部を拾った人間は、それに書いてあった一文に惹かれてそれを基にまったく新しい巨
      大な草案を作り出す。彼も当然、高い所から放り投げた後に落下した。そしてそれは、
      やはり風に乗って各地へと流されてその大半はクズと化してしまった。しかし、それは
      同じく伝染病のように誰かの手へと渡り、再び繰り返される。その度に、絶望的な人間
      たちは同じ惨劇を繰り返し、何ひとつ報われないままこの世を去っていく。それは不幸
      以外の何物でもなかった。
      出した手紙の返事がまだ返って来ない時は、高い所から紙切れをばら撒き続ける人間達
      を思い出せばいいと思った。彼らは不幸であるが、救い難い不幸ではあるが、どうしよ
      うもない人間ではあるが、そんな事は取るに足らない、誰かに語って聞かせるような物
      ではない。何時の日か、高い上空から粗末な紙切れが降ってきた時は無視する方が良い。
      その粗末な紙切れは、ただ無意味に無作為に人間を落伍させ不幸にさせる。

      そんなことを考えている内に太陽はすっかりと落ち込み、夜になった。塔を降り街に向
      かって歩き始めた。街の中へと入ると、私は服の中に右手を入れて人とすれ違うたびに
      ナイフに見立てた空気をにぎりしめた。そのまま駅に向かって歩き、私はどこか遠くに
      行こうと思った。適当な金額の切符を買うと、プラットホームに降りて2分後に来た電
      車に乗った。私は「ガタガタ」と揺られ運ばれていった。
      しばらくして、私は降りる駅で悩んでいた。仕方が無いので適当な駅で降りた。私はそ
      の降りた駅で線路に飛び込む事を考え、先に誰か飛んでくれたら私は飛ぶ必要は無いの
      になあ、と思いながら、また次の電車を待ち、何となく親指の爪を噛み切った。切った
      爪を舌でもて遊び、舌に刺しながら、さっさと吐いて捨てた。 

      それから、私が自分の家に戻ったのは3時間ほど後のことだった。酷く疲れていて、と
      ても眠かった。自分の部屋に入りベットに寝転がり、今は何時なのかと思い時計を見た
      ら電池が切れていた。換えの電池は無かった。私は役立たずの電池を取り出して、舌で
      マイナス部分を舐めると少し痺れたような感じがした。気持ちが悪かった。
      窓からそばの下水溝に投げて捨てた。いつかそれは錆び果てるのだろう。役に立たなく
      なった電池からは有害な物質が出てくる、私はそれが次の使命だと思った。役に立たな
      い物からはろくな物が出てこない。すべてが無駄、すべてが有害、すべてが劣悪。不意
      にベッドの横に置いてあるカッターナイフを手に取ると、少し錆びが出ていた。何も切
      っていないのに金属臭の混じった生臭い臭いがする。その錆びを爪で落とそうとするが
      深爪が酷くて取れない。放っておくと、錆びはどんどん広がってゆく。仕方が無いので、
      無理に痛い思いをして爪で錆びを掻き取った。そしてすぐに眠った。

      目が覚めると、すっかり正午を過ぎているようだった。太陽が高く上がり部屋の中がじ
      っとりと暑く、肌がかなり汗ばんでいた。部屋の窓を開けると抜けるように晴れ渡って
      いて、青い空の彼方此方に大きくて真っ白な入道雲が浮かんでいた。部屋の中に溜まっ
      た汚れた空気が外に流れてゆき、私は外から流れてくる清潔な空気を肺いっぱいに吸い
      込んだ。その空気が体中に流れる。多分、私はこれからもこうして生きて死ぬのだろう。
      反吐を吐き出して、それに憎悪や悪意が絡み、血液と精液を吸い取り、簡単に消え去る。

      私はズボンの中から、昨日買った大量のはがきと封筒と切手と大量の便箋とシャーペン
      とその芯とボールペンを取り出した。そして、誰にも送る宛てのない手紙を書き始めた。


 投稿者:BECK  投稿日:2000/07/16(日)07時57分46秒  ■  ★ 

      ルーザーはこれで終わりです。今まで長い時間どうもありがとう



付録

物語の流れ  投稿者:   投稿日:2000/05/25(木)12時46分04秒

      主人公(西郡彦嗣)マケイヌ部に入部

      マケイヌ部の部集会に間に合わず

      侮辱してきた女生徒をレイプ

      マケイヌ部に行くも休み

      過去の記憶とバスジャックについて思う

      公園で幼女を殺害(その記憶は喪失)

      屋上でレイプを傍観した女を見かける

      その女に拒絶され錯乱しマケイヌ部へ

      主人公、生い立ちのモノローグ

      マケイヌ部に乗り込むも逃げ出す

      プールサイドで感傷に浸り女生徒殺害を決意

      屋上で武器を用意して待ち伏せ

      逆に重傷を負わされて女生徒は自殺
@ルーザー
番外編 7月a日  投稿者:BECK  投稿日:2000/08/03(木)01時48分18秒  ■  ★ 明け方から眠って陽が落ちる頃に目が覚める。故郷に戻ってからそのような怠惰な生活ばかり送 っている。真夜中には、追い詰められ絶望的な闘争(真実は逃走)を繰り返していた3月の頃の夢 をよく見る。あの時と今がそんなに変わりがあるとは思えないのだが、その時のなどを日記を読 み返している内に嫌な事や楽しかった事を色々と思い出した。それは大抵、明け方の頃。プレイ ヤーを動かしたままヘッドホンを外して机に置くと、そこから漏れるCDの音と外から聞こえる 蝉の鳴き声が交じり合い、何処か懐かしい気持ちになった。私は関東の部屋でもこんな風に蝉の 鳴き声が聞こえたりするのだろうか、と思った。 早朝から太陽の日差しは強く、今日も暑い一日を嫌でも予感させた。夕立くらいは降るかもしれ ない。雨が降れば人は傘をさし、持たない者は屋根の下に集まり、急ぐ者は打たれながら走る。 そこを敢えて歩く偏屈者もいる。持っているのにさそうとしない異常者もいる。雨水で増水した 側溝に小さな木の葉を流し、流れて行く先を追ったのは小さい頃。蓋に視界を遮られ、それでも 追って先回りする。蓋の切れた場所に立ち流れてくるのを待つ。流れてくれば再び追う。流れて こない時の肩透かしを喰らったような気分。少しだけ沸いた愛着の喪失。新しい葉を取り再び流 れへ。 真夜中に冷房をつけず窓を開けているとカナブンの襲撃に遭った。殺虫剤で弱らせてからティッ シュに包んで外に捨てる。夏特有の昆虫の勢いは凄まじい。小学生の夏休み初日、友人たちと近 くの森へ行き、カブトムシやクワガタや緑のカナブン等を大量に捕獲して分けあった。私はそれ を、土も腐葉土も木の切れ端も何も入っていないプラスチック製の小さな飼育器に全部入れた。 プラスチック製の飼育器の中は満杯状態で、昆虫たちの手足が動き外骨格が擦れ合う「ギチ、ギ チ」という音が聞こえるほどだった。それから家に帰り、自分の部屋の隅に置くと私は遊び疲れ てすぐに眠ってしまった。 真夜中、プラスチック製の飼育器からでる物音で目が覚めた。部屋の照明を点け、眩しさに目を 擦りながら飼育器の蓋を開けるとそこには地獄が展開していた。窮屈さに耐えかねたのか、昆虫 同士が激しい共喰いを行っていた。もがれた手足触覚、剥がれた外骨格。蠢くメタリックな胴体。 そこから共喰い夏休みが始まった。 8月b日  投稿者:BECK  投稿日:2000/08/05(土)04時53分42秒  ■  ★ 7月も過ぎて8月になった。ベッドの上で冷房から出る乾いたカビ臭い空気を吸い ながら眠る日が続いた。どこかに行こうと倒れそうになりながら外に出た。思い付 きでプールに行こうと思い、歩いた。 真昼の市民プールに来ると、夏休み真っ盛りの子供たちがお互いの体をひたすら喰 い千切り合う光景が私の目の前で繰り広げられていた。プールの水は真っ赤に染ま り、塩素の臭いは血液の臭いであっという間に掻き消された。子供たちの白くまだ 綺麗な肌は小鮫に噛み千切られたように、皮膚と筋肉、皮下脂肪が削げ落ち、骨が 白く覗いている。そのような状況下で彼らは集団性交を始めた。プールサイドの硬 いコンクリの上、緑色のフェンスに手をつかせて後ろから、不精な奴は水中で。水 着の脇から性器を覗かせ性器を刺す。ひとりひとりの悦楽に満ちた薄ら笑い。 ひとしきり行為を終えた彼らは再び、共喰い。幼女の犬歯が性器を噛み切る。健康 優良男子の顎が乳房をえぐる。3デシリットルの血液が吹き出る。水面には小さな 吸血アメンボが滑っている。風が頬を撫で水面に血の波を起こす。綺麗に浮き出た 肋骨が性的欲求を刺激する。A地点からB地点まで見渡す限りの、共喰い。 空には美しく輝く太陽、私の心は今にも爆発しそうな程ときめいていた。 8月c日  投稿者:BECK  投稿日:2000/08/07(月)05時33分40秒  ■  ★ 交通事故で死んだ妹の墓参りに行った。電車で南へ数時間ほど揺られ、海のよく見える駅 に降りた。日差しが阿呆みたいに強く、肌にぽつぽつと蕁麻疹のような発疹が出てきた。 私は成るべく日陰を歩き林道を越えて墓に行った。簡素ではあるが整えられた墓地はとて も静かで、蝉の鳴き声が森の奥から聞こえる以外は何も耳に入らない。心の中で何か躁だ つ物があって、いきなり他人の墓石を思い切り蹴飛ばした。ゴトンと音がして薄汚ねえ墓 標が倒れ、続けざまに2、3個蹴倒した。何が陸軍一等歩兵だ。 妹の墓はまだ新しく、ジジイババアどもの墓の石のように謎の苔が生えたりしていない。 水道の水を入れてきたバケツを適当な墓石に投げつけると水が飛沫を上げながら飛び散り 、またどっかの墓石が倒れた。こういう事ばかりしているから罰が当たるのだろうが、そ もそも私はそんな事は信じていない。私は持ってきたバッグからシャベルを取り出し、お もむろに妹の墓の下に突き立て土を掘り返し始めた。50センチほど掘り進むと乾いた土 が徐々に湿り気を帯び始め固くなってきた。日光は以前強く、私は汗をたくさん出しなが ら掘っていった。 ガツンと音がしてしゃべるの先が止まった。どうやら棺に辿り付いたようだ。妹は一族の 提案で土葬にて葬られていた。私は周囲の土を取り除き、重い棺を担ぎ上げて地面に置い た。棺の蓋に乗っている土を掃い、バッグから釘抜きを取り出すと釘を一本一本引っこ抜 いていった。大半の釘を取り除くと、棺の隙間にシャベルを突っ込んでこじ開けた。蓋を 蹴飛ばして中をよく見ると驚愕した。誰だこいつ。かなり腐乱してはいるが、明らかに私 の妹ではない。まったく見覚えのねえ女だった(後に隣家の娘である事が判明)。何故この 訳の分からない女この棺に入っているのだろうか。全然分からなかった。 腐り果てて逝く妹の姿を一目見ようと、わざわざ出向いてきたのにどういう事だ。こうな ると、本当に妹が死んだのかどうかさえ疑問に思えてきた。妹は一体どこに消えたのだろ うか。この夏休み中に何とか見つけ出さなければならないと私は思った。 8月x日  投稿者:BECK  投稿日:2000/08/24(木)05時22分42秒  ■  ★ 15時過ぎ、低い位置から照り付ける太陽が長袖のシャツを通した両腕から汗を滲み 出させる。うっかり日の当たる場所に置いてしまった水中花は枯れ果て、くすんだ 赤紫色の花弁が酷く綻んで見える。夏祭りから十日程の時が経っていた。青紫色に 歪んだ空をずっと眺め、暗く沈んだ頃に大輪の花火が臓腑に届くほどの大音を響か せながら咲き逝ねる。夜になお生き永らえる朝顔は、弱々しく頭を垂れ弁先を指で 軽く爪弾くとあっさりと千切れて落ちた。 冷房の室外機が回る音、竹林が風に触めく音、虫の鳴き声、羽虫のはためく音、地 虫の這う音。自分の鼓動音が霞んで聞こえる。切れ切れに聞こえる送血音。手首に 浮き上がる青い管。自分の呼吸音が霞んで聞こえる。唾を飲み込む音。掻き消され る。自己内部の音の萎縮。内的崩壊の音。 これで、昨年の今何をして何を考えていたのかなど欠片も覚えていない共喰い安息 日は終わった。 投稿者:BECK 投稿日:2000/08/30(水)05時04分30秒 ■ ★ 腹が減ったが食べる物が何も無かったので しぐれを食った とても塩辛く空腹を満たすには充分だった 二袋食べ終わりしばらくすると猛烈に心臓が痛くなってきた 異常なまでに心拍数が上がっているのが分かる 心なしか小刻みに手が震えているように感じる 落ち着こうとハッカ煙草に火を付けようとするが ライターを持つ手が震え着火する事ができない 阿波踊りの太鼓の如く心臓が音を立て脈打っている いよいよ激しい悪寒と共に異常な発汗が始まった キーを打つ手も震えタイプミスが酷くなってきた 午前5時7分、私は後5分後には 投稿者:BECK 投稿日:2000/08/31(木)15時44分11秒 ■ ★ 机の上で居眠りしていると、先輩にポルノ雑誌を丸めて作った棒で思いきり頭を殴られ た。私はショック死するかと思うほど驚き何をするんですかというような目で睨んだ。 しかし、先輩は軽蔑の目で私を見下ろしただけで何も言わず去って行った。私は前々か らあの男の高慢な態度が気に食わなかった。それ以前に何故私がボランティア団体など に所属しなければいけないのか分からなかった。 この夏休み中、老人ホームや福祉施設をたらい回しにされろくでも目にばかり遭ってき た。今も病気や寝たきりの老人たちを慰問するとかいう糞くだらねえ行事に持っていく ための千羽鶴を折らされている。千代紙だか何だか知らないが、ひたすら紙を折るだけ の単純作業は拷問に等しかった。さぼるとアホがまた殴ってくるので私は作業を再開さ せた。さぼった所で折り鶴の数は個人で割り当てられているのでどうせ自分でやらなけ ればならないから。 私が何故ボランティア団体などに入れられることになったかというと、学校における私 の素行があまりにも酷く無期停学処分になったからだ。私は両親にボコボコに殴られ学 校に連れて行かれ校長や教頭とかいうハゲの前で土下座させられ、何とか許された物の この夏休みの間中ボランティア団体に所属し奉仕活動に専念しろと命令された。当然、 行かなければ私は退学になってしまう。私自身は退学でも何でも良かったのだが、両親 が殴ってくるし絶縁をちらつかせたりするので渋々了解した。今この糞どもに勘当され たら遺産がもらえないし、それにこいつらの脛は死ぬまで齧ってやろうと心に誓ってい るので勝手に追い出されては困る。私を生み出しことをその身を持って償わせるのだと。 千羽鶴折りは夜の8時までかかった。晩飯さえ食わせてもらえなかった。こいつ等は完 全に舐めている。飯が出たら出たですさまじいまずさである。作っているやつ等もボラ ンティアの女なのだがこれがまたひでぇブスで、思わず口に入れた米を前席にいる自閉 症の治療のために参加している青年の顔面に吐いてしまった。 もはや食欲など無くなりさっさと部屋に戻るが、当然個室などではなく10人ぐらいが 雑魚寝するような部屋である。私はこの同室の奴が全員嫌いだった。まだ食事中で誰も 居ないこの部屋は唯一落ち着ける場所だった。でも、あと10分もすればマヌケ面をぶ ら下げたアホどもが大挙して戻ってくる。私はその中で完全に浮いていた。よく消灯前 の合間に雑談会のような物が行われるのだが、こいつ等の話は死ぬほどつまらなかった。 糞面白くねぇギャグを飛ばす奴がいて、なんでそれで笑えるのか知らないが部屋の奴等 は爆笑している。私が無表情でいると、むしろ不愉快でいるとノリが悪いとか言ってく るアホがおる。そして私はますます不快になった。 次の日になった。案の定、私は昨晩聞きたくもない会話を聞かされアホらはさっさと眠 ってしまい、私だけがなかなか寝つけなかった。眠い目を擦りながら悪臭の漂うぼろい バスに乗せられ死にぞこないの収容所に運ばれていった。バスから降りると収容所内の 一室に集められ、簡単な説明を受けて各々自分で作った千羽鶴を持って割り当てられた 部屋へと向かった。私は一室をノックして中に入った。たいていこういう物は盛ってき た物を渡し、5分程度会話するだけですんだ。ボケがかった老人など適当に相づちさえ 打っておけば会話が成立しなくてもどうにかなった。私は今日もそのように適当に事を すませようと思っていた。 しかし、この部屋にいた糞ジジイは違った。まず私が小さな声で挨拶したことにたいす る文句から始まり、言葉遣いや格好にケチを付け始めた。さらには千羽鶴の鶴の折り方 が下手だとか、目付きが悪いとか内心では馬鹿にしているのだろう、などと勝手に捲く し立てた。それは実際にそうだった。でも私は腹が立ったのでジジイの顔面をできうる 限りの力で殴った。骨が脆くなっているのかジジイの前歯がまとめて折れて「うぃーう ぃー」とかわけの分からない声で呻いていた。 私はどうでもよくなったので、さっさとこの部屋を出ようとした。どうせばれてもボケ ているし言葉もうまく喋れないだろうから、どうにかなるだろうと思った。万一に死ん だとしても誰も不思議に思わないだろう。私はただ、こんなくだらない日がいつまで続 くのだろうかと考えてとても憂鬱な気持ちになった。 投稿者:BECK 投稿日:2000/09/01(金)16時42分31秒 ■ ★ 古本屋に行ってマーダーケースブックって言う殺人鬼の雑誌を買ってきたんだけど で、今持ってるのはチャールズマンソンと佐川一政とジョンレノン殺した奴と 新しくロシア52人殺しとシカゴ連続少年殺人の奴のを買ってきた まとめて読んだんだけど マンソンとかレノン殺しとかのは割と好感持てるというかかっこいい感じがした でも人肉食いとかサディストとかホモ野郎とかのはなんか嫌な感じがした けどルーザーって上記の奴らと同じこと書いてるわけで 人肉食いとかあるしガキ犯して殺すしなんか殺してばっかで 突き詰めて考えるとこいつらに感じた嫌悪感は同族嫌悪なのではないだろうかという 嫌な考えが浮かんだわけで とくにホモ野朗の殺人動機が同じゲイに対する憎悪から来たものだったらしい んで鬼畜系の18禁漫画読むのがやたらと好きなんだけど パラシュート部隊っていうかなり猟奇で気持ち悪いのを描く人がいるんだけど ああいうのがすごい面白くて ルーザーで書いたけどガキのころ落ちてた鬼畜漫画でマスタベーション覚えたってのは 実話で読んできた雑誌の奴らも似たようなもんでさ けど俺の中には殺人願望どころか自殺願望さえない無いわけで そこら辺はもう別にどうでもいいんだけど でも普通のグラビアに載ってるような女見るより首輪とか付けてる方が性的興奮の 度合いはまるで段違いなものであって 俺もいつかはそんな性的妄想に取りつかれてしまうのかも知れないという不安を 少なからず抱きながら相変わらず気持ちの悪い物や悪意の篭った物を書きたいと願って るわけでそん時はまず誰をどのようにして餌食にしてやろうか等と考えてますが まー生い先短い人生、もっと破顔で笑っていきたいなあと思っています それじゃー犯罪者精神病院で会いましょう 投稿者:BECK 投稿日:2000/09/23(土)06時27分24秒 ■ ★ 物を食ったら吐いた。消化液と胃の内容物をコーラのペットボトルに小刻みに吐き 出してゆく。半分くらいのところまで溜まった。最近、毎日酒を飲むようになって 200円で釣りの来るワンカップ焼酎を2日に1本ペースで空けるようになった。 私は酷い下戸でその程度で十分に酔えた。中島らもの「今夜すべてのバーで」とい うアルコール中毒を主題にした小説を読んだ事があり飲酒による憂さ晴らしの危険 性みたいな物は承知しているのだが、この小刻みな嘔吐の原因はやはりそれにある のだろうか。身体の衰弱も激しい。5月の頃には56kgあった体重が今では50kgを切 りそうな勢いで減少している。肌に張りが無くなり、人に頬がこけ過ぎていると言 われ、食欲性欲も奮わず、人と話すのが常に億劫で、論えば切りは無いが都市生活 者に限らずこんな状態に身を置いているのは何も珍しい事ではないだろう。 日がな寝台に身を預け虚空を眺め、ステレオから流れる質の悪い和音に眠気を催し 昼夜問わず眠る。胃薬をばりばりと噛んで飲み、温い水道水で流し込み5分もすれば 昨日食べたパンのどろどろとした物が込み上げ、指を咽喉に突っ込み洗面所で吐き 出し口の端から垂れた涎を手で拭いながら顔を洗えば眩暈がして陽光の果てに見る 絶望失望諦念燥焦すべてがめちゃくちゃな最早言葉にならんもうだめだ。 まだまだ年端の行かない頃、車に乗るたびに酔ってゲロ吐き家族から忌み嫌われて いた。私は車に乗っている最中に2度吐くゲロを2度ゲロと呼んで恐れていた。1度目 より遥かに苦しいからである。この苦しさが誰にも伝わらず、私は一人自立心を磨 いたは良い物のその地獄でみた苦痛に対する強迫が今もなお私にとってはもう怖い のではなく、これは最早憎しみ、憎しみである。私をもう2度と苦しめないでくださ い。死ぬのが怖いから私は死ぬ事が出来ません痛いのが怖いです僕はもう弱い存在 ですからもう許してください。ふざけるな、なめるんじゃねえ、殺してやる、くた ばれあほ。すいません、もうしません。今日渋谷のタワーレコードに行ったら変な あほが踊ってて試聴できませんでした。あほじゃねえの?ふざけるな、何でお前の 為に俺が試聴できなきゃらならんのだ。なんだそのぼうしはげいじゅつかきどりか てめえはかんこくじんかよ、な滲んだ4手壊疽の踊りヤメロヨ俺に試聴させろ。 めくら女を1年間放置した理由を僕に教えて下さい。めくら女と図書館行った時結 構、喜びました。東京に来てからこんなに良いことはありませんでした。僕はいつ も虐げられてきました。でもその倍くらい虐げてきました。私はサディストですう。 僕はヴィヨンの妻を犯します。商店街の太宰治は今日もラリッていて、僕に根性焼 きを強要してきて困ります。太宰はショートピースを吸いながら堕罪について僕に 講釈を垂れました。ぎゃははは。僕が笑うと太宰も破顔で笑いました。ぎゃははは。 ぎゃはははは。夕暮れの商店街を歩く人たちが僕たちをあほを見るような眼で、軽 蔑と羨望の眼差しで見つめていました。さようなら、僕の躁病患者時代。そしてあ りがとう。祝辞を述べた僕は、喜んで手元にあったエチルを一気に飲み干しました。 そして、ぶっ倒れました。ぎゃははははは。太宰が笑ってます。それは答辞だった。 ぎゃははは。僕も笑います。ぎゃははは。太宰もエチルを一気に飲みます。やはり ぶっ倒れます。ぎゃははは。芥川先生がブロバリン持って2階から降りてきました。 すでにらりっていて何言ってるの理解できません。それを奪い取って噛み砕いて飲 みました。地面にこぼれたやつを太宰が拾って飲んでます。ぎゃははは。えちるを もう一杯。ぎゃははは。 投稿者:BECK 投稿日:2000/09/28(木)02時47分39秒 ■ ★ 街角は秋の色に染まっています。今日もろくでも無い一日が終わろうとしていて、私 は永久に続く嘔吐感のようなものに悩まされています。一日一日が無味乾燥の連続で、 如何に今日は意味有る日を過ごしたかを競い合う人、人の群れが私の存在を少しずつ 少しずつ削り取っていきます。朝食を取った日の朝、昨日見た夢の解釈に心血を注ぎ 出た結論が、死んでしまいたい、という願望から来るものだと分かり愕然とした。だ からと言って、手首に刃物を当てたり、水をたくさん飲んだりするような真似はしま せんでした。ただ歯を磨いたり、髪の毛を切ったり、部屋を掃除したり、服を洗濯し たり、食事を作って食べたり、それはすごく虚しくて、気が付くとずっと椅子に座っ たり絵筆を口に突っ込んだりしています。 秋の長雨も終わり、夜には涼しい風が吹き、でも無意識の内に冷房のスイッチを押し ていたり、半袖半ズボンで外に出たり、季節の変わり目は色々と奇行を犯しがちです が、やはり今日も無意識のまま近所の寂れた遊園地に行ってしまいました。恐ろしく 貧相な観覧車が見え、柵の外から覗ける煤けたメリーゴーランドやコースターが何か 特殊な施設のように見え、人影は無くとても不気味な隔離空間としてそこに存在して いました。当然、中に入る気など沸かず、ただ気の触れた人と行けばそれなりに楽し めるのかも知れないと思った。そう言えば、ノイローゼになってしまった友達にディ ズニーランドへ行こうと誘われるとかいう歌があったきがする。例えたらそのような 感じ。 ここ一週間ほど、私は誰とも話していないことに気付いた。そしてこのように文章ば かりを書いているのだが、次第に話し言葉という物を忘れていってるような気がして ならない。たまに人と話したりすると、何だか自分が喋っている実感が沸かず、相手 にも伝わり難いようで何度も聞き直されたりする。いっそのこと唖にでもなった方が 楽なのかもしれないと思うが、口を突いて、死ね、殺す、と言えなくなるのは少し寂 しい気がした。今さっき、死ね、殺す、とつぶやいてみたが酷くまぬけのように聞こ えた。もう一度、死ね、殺す。実感が沸かない。死ね、殺す。いまいちだ。死ね、殺 す。まだまだだ。死ね、殺す。死ね、殺す。死ね、殺す。死ね、殺す。死ね、殺す。 ね、殺す。死ね、殺す。死ね、殺す。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。 しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、 ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす しねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしねこ ろすしねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしね  投稿者:BECK  投稿日:2000/12/15(金)05時11分10秒  ■  ★ うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああ目が覚めたら正午をとっくに過ぎていた。あああ、午 前の授業に出られなかった。もう学校はさぼらないと誓ったのに。外はすごく雨が降ってい る。もう外に出るのは嫌だ。どうせ私などは居ても居なくても存在すら確認されない人畜生 以下の存在なので今日も己の内部宇宙の末端で形成される猟奇世界をさ迷うことにした。 楽しいことの前の気分というのはいつもこのように最悪な物だ。頭の中ではろくでも無い曲 の歌詞を適当に変えて繋ぎ合わせたテーマソングが流れた。 ”このイカレタ街へようこそまともな奴ほどフィールソーバッド。どこもかしこもキチガイ だらけ、うずくまって泣いてても始まらない。どこに目を背けても血の惨劇、だけど死には 至らない気分はどうだい。時代はまさに猟奇狂時代、よどんだこの街角で殺傷器具を握り締 め僕らは出会った。この腐敗と自由と暴力と狂気と絶望と幻滅の真っ只中” そこではみんながみんな驚異の殺人兵器を片手に好き放題にわがままに暴れている。私の持 つ特殊キチガイ兵器、キチガイ兵器1号巨大ハサミ・キチガイ兵器2号脾脱疽鼻疽ペストチ フスコレラ赤痢流行性出血熱異種混合毒ガス・キチガイ兵器3号原爆竹・キチガイ兵器4号 精神融解装置(発狂因子意識化波放出)・キチガイ兵器5号人種転換装置・キチガイ兵器6 号精神融解装置改(自虐増幅自殺誘発型通称ミスターセルフディストラクト)・キチガイ兵 器7号人格移転装置・キチガイ兵器7号毒ボウガン・キチガイ兵器8号みなごろしの剣・キ チガイ兵器9号南斗爆殺拳・キチガイ兵器10号SOL・キチガイ兵器11号地獄のシンフォ ニー(鼓膜をぶち破るほどの音量を人間の耳に送り込む)・キチガイ兵器12号N2地雷・ キチガイ兵器13号高速度硬ナイフ・キチガイ兵器14号モンキーレンチ・キチガイ兵器1 5号硫酸水鉄砲・キチガイ兵器16号うんこ投擲器・キチガイ兵器17号鉄の処女ドリル型・ キチガイ兵器18号焼い爆弾・キチガイ兵器19号ごきぶり蝿ムカデの2リットルペットボ トル詰め・・・ それらを両手いっぱいに抱えて私は猟奇世界へと足を踏み込んだ。 すでにそこはすさまじい殺戮の嵐が吹き荒れておりアスファルト一面に飛び散った内臓や 脳漿や血液が水蒸気を上げており蒸し暑いほどだった。手始めに巨大ハサミで子供達の首を 片っ端から刈り取り始めた。大人の首はハサミの位置的に刈り取りにくかった。20個ほど 刈り終えると私はそれらの生首を使って新しい遊びを考え始めた。生首サッカー、生首ドッヂ ボール、生首ボウリング、生首野球、生首バスケットボール、生首ハンドボール、生首卓球、 生首テニス、生首ラグビー、生首お手玉、生首こけし。色々考えた。私はそばで切り取った 老人の陰茎を女子高生の口に刺し込んでいた私よりいくらか年上のキチガイを誘って生首サッ カーやり始めた。踵やつま先を駆使して生首を転がしシュート! 生首が使い物にならなく なったら新しいのに変えてゲーム再開。気持いい汗をかいた。3対2で負けてしまったが、 私はとてもすがすがしい気分だった。球技の類が死ぬほど嫌いだったのにこんなに楽しいとは 思わなかった。年上のキチガイも楽しそうだった。2人の膝から下は血だらけだった。  それからも私はあちこちうろつき鼓膜を破ってやったり融解装置を使って共喰いフェスティ バルを開催したり融解装置改を使って自殺コンテストを開いたりがんばった。ちょっとひと 休みして水道で水を飲んだりしているとそば広場でオクトパスショーが行われている。骨を 折れる音がはっきりと聴こえてくる。それに合わせてちょっと体を揺らしてみると心地良い。 街の中心にそびえる高層ビルからは飛び降り自殺の雨が降っている。散発的に鳴る爆発音は 地雷源だるまさんが転んだが行われているようだ。一刻も早く鬼に近付き背中にナイフを突き 立てて殺すのだ。夜明けはまだ遠いし私ももっとがんばろう。 一色ノ丘から警報犬の嘶く声が聞こえ躁立つ気持ちに一双の昂ぶりをもたらし小腸から大腸に 至る壁面にびっしりと覆った繊毛の奮い立つような感覚が過ぎり細胞のひとつひとつでさえ 生命を宿しているのだと実感、そして関節の摩擦する音毛細血管の複雑な絡まりがもたらす 緊縛音、心臓の鼓動肺臓の伸縮肝臓の分泌膀胱の濾過膵臓の形容しようの無い蠢き、そして 脳髄の視床下部前頭葉側頭葉大脳縦裂を縦横無尽に駆けめぐる電気信号の小さな軌跡さえも 感じ取れるほど煽り上げられた己の肉体精神に不安や緊張や憤り、もはやどのような感情意識 さえも肉体に与える影響は限りなく無に近く、今私の超人的肉体は精神の壁を突き破り花開く 速度で精神世界のそれさえも越え始めていた。私には今言葉を越える術があり神の域に手を触 れた。でも事実急転直下で墜落してゆく己に気が付いたのはそれから20秒もかからなかった。 密告者を刺す。私はそう心に誓った。もう居ても立っておられなくなり脱兎、弾丸脱兎と化し 頭ん中ではmiraigataがインフィニティ・オブ・ループを構築しており止まることは 無くその走破路には左右の腕を器用に使ってくり貫いた眼球が道に迷わぬよう千切って置かれた パンくずのように脱兎の軌跡を示していた。途中はだしのゲンごっこに興じる老若男女の屍体を 焼く臭いを嗅覚が異常に敏感になった状態で深呼吸してしまいさっき食ったジャンボコーンを 吐いてしまった@ゲロ消失が悔まれる。少し立ち寄り暖を取る。気紛れに生きた人を燃え盛る 炎のなかにつきとばしたら髪の毛がもえていきますぅ〜あーパチンって言ったーパチンって。 あれれ? 生きた人をドラム缶に閉じこめてガソリン撒いて火を付けたら中から「ういーういー」 ってきこえてきたよ? しかし寒いもう冬だ。火炎の中では熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い 熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いここは寒い寒い寒い寒い 寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い。ぎゃははは阿呆だ阿呆。虚空 からは撃墜王が200kg精神爆弾を投下し、彼方に見える中央センターは機能を停止した。 この狂宴がずっと続けばいいのにな。しかしこの猟奇世界には警察の手入れが入った。  投稿者:BECK  投稿日:2000/12/15(金)05時11分29秒  ■  ★ 糞溜めに来ちまったぜ。と大層育ちの悪そうな警官が言った。実際彼の両親はまったくの無学で、 生まれてこの方読んだ本といえばコンビニのバイト中に読んだ推理小説だけであった。しかし、 この恐ろしく難解で知られる推理小説をわずか4時間半目で犯人を文中から読み取り読むのを 止めた。彼はこの事を両親に聞かされた時、愕然となった。それから警官は人生を捨てた。何故 ならそれは間違っていたからである。警官はいい加減馬鹿どもの相手をするのは疲れていた。 所がどうだ、この街では阿呆が下らない武器を使って人を殺しているではないか。もううんざりだ。 最近こんなんばっかりだ。上司にこの街の治安を一人で守ってこいと言われた時は殺意を覚えた。 しかも彼に渡された武器は5発込めのリボルヴァー1丁と弾28発と特殊警棒1本であった。 こんなチンケ武器で気違い蠢く街の治安など守れる訳が無い。警官は死を覚悟した。  投稿者:BECK  投稿日:2000/12/15(金)05時11分45秒  ■  ★ 私は古本屋で小山田いく著・霊能バトルを読み終えた。凄餐の饗宴から少し身を離しこうして 本読むのもいい物だ。この古本屋には何でも揃っている。漫画も各出版社ごとにきれいに整えられ、 小説も古今問わず並びエロ本も豊富に揃っている。私の祖父はインパール作戦で戦死した。正確 には餓死したと言うべきだろう。何故そんな事が分かるのかというと、遺品として遺族に届けられ た物の中にあった日記に書かれていたからだ。「この作戦は無謀だった」「もう我慢できない」 「しかし、そんな事はできない」「仲間に騙されついに食べてしまった。ああ」「また騙された」 「私が死んだら奴らはきっと…」「食われる前に食ってやる」「やばい。感付かれ始めている」 「食人鬼の烙印を押され、隊から置き去りにされもう5日も口にしていない」「一人引き返し道々 腐肉を食らう」「腹痛い下痢が酷い」「もう駄目だ」ここで日記は終わる。私は祖父を誇りに思っ ている。  投稿者:BECK  投稿日:2000/12/15(金)05時12分24秒  ■  ★ 警官の服は返り血で真紅に染まった。正確に相手の脳天を撃ち抜き無駄弾は一発も使わなかった。 しかし弾は底を尽いていた。阿呆の数は一向に減らないし武器も無い、が彼はやる気満々だった。 彼の手にはキチガイ兵器・バルカン砲がしっかりと握られていた。彼はコマンドーとプレデターが 大好きだった。乾いた回転音と共に重い鉛弾が無実の一般市民を貫く。彼はひとつ結論に達して いた。守るべき市民が居なくなってしまえばそこに治安も糞も存在しないという事だ。守るべき物 など存在しない、警官の心にはラーントゥフライが美しい旋律を奏でていた。彼はその時、確かに 空を飛んだ。そして小学校の卒業文集に将来「天使になりたい」と書いた事を思い出していた。  投稿者:BECK  投稿日:2000/12/15(金)05時37分57秒  ■  ★ グラップラーバキ全巻を読み終えると私は古本屋を出た。最強の人間はこの街にこそ存在する。 俗に四天王と呼ばれる高等気違いが覇を競い合っているし。まず一人目エロ本自販機クラッシャー、 二人目シャブ中アニオタDDB、三人目ネコジルTシャツの男、四人目旧局の負け犬こと不肖 私くし、という阿呆な事実。こいつ等は確かに強かった。中でもエロ自の強さは郡を抜いていた。 スデゴロでは最強。だけど頭が異常に悪かったので他の三人には舐め切られていた。街の灯りは ぎらぎらと輝きを増し、今まさにクリスマスイヴを彷彿とさせるネオンサインが街を不眠症に陥れ その寿命を確実に削ってゆく。もう先は長くないな、と私は思った。年老いてからじゃこのスピード はだせねええ。一日30時間という矛盾を抱えながら猟奇世界に一筋の光明を見出したのは生き 急いでいた訳ではない。私はバーのドアを蹴飛ばした。  投稿者:BECK  投稿日:2000/12/15(金)08時24分08秒  ■  ★ 弾け飛ぶバルカンの弾、灼けた煙硝の臭い。警官の胸は今にも爆発しそうなほどときめいていた。 ネオンサインは鮮やかにスポットライトの如く彼を照らし上げ。阿鼻、叫、喚。叫び声のなか 胸はって進む。手の平で回るバルカンから君の脳味噌へと。諸刃の剣かただの煙幕か。彼の心は 震え熱情がはねっ返る、神様は居ると思った。しかし、警官は確かに地軸の歪みを感じとっていた。 この世界に何かが起こる。もうすぐ何かが崩壊しようとしている。それまでに彼に出切ることと いえば、しかし彼は考えるのを止めてしまった。それは育ちの悪い彼の限界であり、またそうある べきなのだから。バルカンを撃つ手を休めていると、前方からタダならぬ雰囲気を放つ男が歩いて きた。ネコジルTシャツを重ね着しており片手には出刃包丁。頭には可愛らしい動物のマスクが 被られている。警官はそいつが自分の命を狙っていることが分かった。100メートル先からでも 殺気が充分に届いてくる。警官はつばを飲んだ。ついに四天王が動き出したのだ。  投稿者:BECK  投稿日:2000/12/20(水)20時32分26秒  ■  ★ エロ自の恐ろしさはそのタフネスだった。手斧で頭を一撃されても、電気カッターで背骨を 削られても、その牙城は崩れない。かつて幾人もの高等気違いが彼に挑んだが、みな無残な 躯を路上に晒す結果となった。死天王ナンバー2ネコジルTシャツの男でさえ、彼の腹を十 文字に切り裂いたまでは良かった物の強烈なアッパーを顎に食らいその顔は2度と見れる物 ではなくなった。それ以後、彼はぬいぐるみを被るようになりエロ自への復讐に命を燃えた ぎらせている。だが奴を倒すのは私だ。そして最強の座を手にするのだ。エロ自行き付けの バー「掃射のジャック」では戦メリの再放送が流れていた。ちょうど坂本龍一演じるヨノイ 中尉がイギリス兵の首にポン刀を振り下ろそうとしているシーンだった。エロ自は真剣な眼 差しでテレビを見つめながらウィスキーをラッパ飲みしている。私はその一瞬のスキを見逃 さずキチガイ兵器・高速度鋼ナイフをその無防備な首に振り下ろした。テレビではデヴィッ ドボウイ(ホモ)演じるセリアズ少佐がヨノイ中尉に頬ずりをしている。切れ味は抜群だ。 ナイフはエロ自の頚椎に達し、そこを削る感触がはっきりと手に伝わる。逆上した日本兵の 叫び声が耳に届く。そこでナイフの進攻は止まった。どれだけ力を込めても刃は進まない、 むしろ押し戻されている。エロ自の放った裏拳が私の顔面を捕らえようとしていた。 番外編 我こそはBECKなり  投稿者:BECK 投稿日:2001/05/17(木)01時23分53秒 ずっと欲しかった死体画像、探してた、手に入れた やたら薄暗い部屋の中、僕は見る、君を見る ほら内臓さらして上向いて、右手を頬に当ててみて、このままで居たいと僕は思うから モニターの中、3秒間だけ僕らは、とつぜん恋をする、そしてすべて分かるはずさ デスクトップに横たわる君と、退屈なネットサーフィンする モニタの中を覗いて、気にしてた気付いてた でも内臓さらして僕を見て、ちょっと唇を尖らせて、このままで居たいと僕は思うから モニターの中、3秒間だけ僕らは、とつぜん恋をする、そしてすべて分かるはず ああ、どうせ僕は君をごみ箱に捨てるだろう、ああ、くやしいけど忘れやしないだろう このままでは痛いと僕が思ってたこと モニターの中、3秒間だけ僕らは、とつぜん恋をする、そしてすべて変わるはず ホントのこと何も言わないで電源落とした、ハードディスク初期化して、そしてすべて終わるはず わが青春のフリッパーズ・ギター「カメラ!カメラ!カメラ!」より 下のMIDIに合わせて歌ってみると楽しいかも・・・ http://ssb27.virtualave.net/dust/image/009.mid 悪フザケ2  投稿者:BECK 投稿日:2001/05/17(木)02時49分16秒 そうさ君と僕に夏が来るさ、夜は地下室でゴーゴーなのさ 照りつけてる蝋燭ほら、バッチリさ 拷問器具を広げるのさ、猿轡と首輪も買ったのさ もうすぐ来るさ、ワイルドワイルドサマー 苦痛に歪んだ君が見たいから、いくぞ地下室でゴー!ゴー! ワイルドワイルドサマー でも君はいつも、マヌケ面をした、マッチョマンにフェラチオしてる どうすりゃいいのさ、この気持ち! こっそり手に入れたクロロフォルム抱えた、レッサーパンダで忍び込んだ夜の出来事さ 君と僕に夏が来るさ、夜は地下室でゴーゴーなのさ 生爪剥がしなら僕でも、バッチリさ 尋問椅子に九尾の猫鞭、鉄の処女もそろえたさ もうすぐ来るさ、ワイルドワイルドサマー いつのまにか君は死んだみたい 君と地下室でゴー!ゴー! ワイルドワイルドサマー ほらね僕の玩具さ、ざまあみろさ 君と地下室でゴー!ゴー! ワイルドワイルドサマー 同じく「wild wild summer」より どうしてもMIDIが見つからなかったので元曲を聴きながら見ると楽しいかも・・・ この板名は誤りだった 投稿者:BECK 投稿日:2003/11/14(金)00時30分29秒 ■ ★ 腐れ名古屋の糞パルコにあるゲロ・タワーレコードに行った 一昔前には日課のごとくその手の場所で時間のムダ使いに徹していたが 天下の学徒から労働者に転落してからは、極端に知能と体力が低下したため まったく寄り付かなくなり、親しくしていた知人と疎遠になっていくような 今まで大事にしていた物がどうでもよく扱われいくような そういう状態がここ1年間ほど続いていた 目標は日本の80年代あたりのパンク(?)関係のブツだった 私は低能極まる西洋かぶれを長く気取ったため それらはまったく手付かずの領域であった 手始めにTHE STALINの「STOP JAP」「虫」、INUの「メシ喰うな!」、暗黒大陸じゃがたら「南蛮渡来」 あたりを入手した 細かいことは気力が無いため言葉にならないが、ただ レコードを購入し家に帰りプレーヤーにセットしてベッドに寝て歌詞やライナーを 斜め読みしながら聴くという行為でまだ心震できる事が嬉しかった クソ溜めの中から掴み取った金を使う余地はまだ己の人生に残っていたと思った 勤め先に退職を申し出る直前は殊更「STOP JAP」の9.11.18を繰り返し摂取したが 今では古臭く陳腐に聞こえる物なのかも知れないが 以下に引用する箇所は瀕死状態に陥っていた己の根本的イデオロギーを蘇生させるに至った オレは世間の嫌われ者さ ゴミ溜め ヘンタイ 落ちこぼれ 輝くために 居るんじゃないんだ この世をドブに するためだ /MONEY これらを触媒にどうか今暫くの間、私に地獄を見させていて下さい しめやかに筆を置く デヴィルズ・ヘアーカット再び 投稿者:BECK 投稿日:2003/11/15(土)00時51分49秒 ■ ★ 「糞まみれの公衆便所、鼻をつんざくアンモニア ジッパーおろし垂れ流しゃ、真赤な血のしょんべん こびりついたジャリの落書き、引きちぎられたエロ雑誌 まるめ込まれた黄ばんだ散り紙 そろそろハラワタ煮えくり返る」 とは長渕剛の心象風景や精神世界を具現化した名歌詞と言えるが こういう物を1日24時間の何ヶ所かに挿入させる生活が続いたせいか 最近、顔面の長渕化(シャブ中期)が起こりはじめた 長渕の目は青少年期の早い段階で生成されており、悪い感じはしなかったが 全体的にそうなってくると80年代生まれの己としてはまだ辛い物がある 加えて伸びた頭髪がうっとうしくなり、バスルームで髪を切ろうと考え Got a devils haircut in my mind 等とほざきながら ストレス発散として髪の毛をズタズタに切り裂いた挙句に丸めた なお、気の触れた女が自分の髪を切り刻む描写はどこの国の伝統だ? どうでも良い話 ともあれ坊主にした事で長渕化はさらに進行してしまった 英二とオディレイが交差する音楽的スピードボールな1日の出来事 @ルーザー その1 その2 西郡彦嗣 BECK vs 猫ニャー 死シテ屍拾ウ者ナシ 偽不思議の国 七三一部隊 プライベート Remix & @退避用ルーザー からの転載をまとめたものです。 コンテンツ:びでメール エロゲ 森の妖精 もゃιぃ 湖畔論 スワティ 替え歌 (゚Д゚)ハァ?    gsの野望 AGSの野望 クエスト まったり 文学系 ぴかちう 油日記 ぶり読み ミーシャ

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